研究分担者 |
松田 裕之 九州大学, 理学部, 助教授 (70190478)
東 正彦 京都大学, 生態研センター, 教授 (40183917)
巖佐 庸 九州大学, 理学部, 教授 (70176535)
中島 久男 立命館大学, 理工学部, 教授 (40113112)
山村 則男 佐賀医科大, 教授 (70124815)
|
研究概要 |
本研究は,地球環境の変化に直面して様々な形で進んでいる生態システムのグローバル変化を,システムの多様性の維持,創出,保全などの問題に焦点を当てながら,数理的手法を用いて多角的に研究することを目指している.そのため,本年度はまず,奈良女子大学で班会議を開催し,以下の問題について班員がこれまで行なってきた研究成果を交換し,数学的手法の関連性,独自性,有効性について多角的に討議した. 1.陸域生態系の環境変動に対する応答,人為的撹乱による自然環境の分断化,不規則な気象変動に伴う環境撹乱がシステムのグローバル動態にもたらす影響を評価する方法として,空間構造をもつ格子モデルや偏微分方程式を用いたモデルを構築した.とくに,ギャップサイズ分布や種子分散の詳しいデータをもとに,森林分布域の地理的移動の長期予測を行なう方法について議論した(巖佐,高田,中島,東,山村) 2.侵入生物の広がりと生態システムへの波及効果,外来種の新天地への侵入と既存種への波及効果について数理モデルを用いて考察した.とくにわが国で猛威を振るっているマツ枯れの伝播とそのメカニズムを明らかにする数理モデルを構築した(瀬野,川崎,重定) 4.海洋資源の長期予測.地球環境が変動するなかで漁獲、放流が生態システムの長期保全に及ぼす影響を数理モデルを用いて解析し,持続可能な資源管理の方法について考察した.(松田,原田,難波) これらの討議をもとに今後より密接な研究交流を行なうなかで本研究の推進を図ることを確認した.
|