研究概要 |
地震,風,交通荷重などの動的外乱に対する構造物の応答の重要性が増し,「振動制御」の概念が土木工学の中でも受け入れられつつある。しかし,「流行り」からか,振動制御に関する研究や実施例はその数を急速に伸ばしているものの,他分野での制御法の直輸入的なものが多く,土木・建築独自の振動制御法とはなっていない。 このような背景にあって,本研究では,建築系構造物に特有の振動を地震,風,交通による振動の三つに分け,それぞれに対して,外乱や応答の評価を含めた制御問題の明確化,各種制御法の特性の解明・比較を行った。 今年度の具体的な研究内容は以下のとおりである。 1.外乱や応答評価を含めた制御問題の明確化 地震による振動(野田・藤野),風による振動(藤野・山田),交通による振動(岡林・山口)に分け,それぞれに外乱評価や制御要求を調査して,個々の問題を建設系構造物特有の振動制御問題として明確にした。同時に,平成8年度に行う各種制御法のベンチマークテストのための典型的例題について検討を加えた。 2.各種制御法の予備的比較検討(山口・岡林・山田) 既存の制御理論および制御法を整理し,簡単な問題を例にその基本特性を,数値解析ならびに模型実験によって把握した。
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