研究分担者 |
片田 直伸 鳥取大学, 工学部, 講師 (00243379)
丹羽 幹 鳥取大学, 工学部, 教授 (10023334)
上野 晃史 静岡大学, 工学部, 教授 (30135420)
薩摩 篤 名古屋大学, 工学部, 講師 (00215758)
岡本 康昭 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (80029553)
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研究概要 |
昨年度に引き続いて,モリブデンアルミナ,パナジウムチタニアおよびコバルトアルミナ担持金属酸化物の調製を検討した.平成8年10月には,福岡市の九州大学に研究分担者が集まり、これらの触媒調製についての実験結果をあつめ,検討項目について議論した. モリブデンアルミナ触媒については,含浸時の水溶液と担体量の比,乾燥過程,焼成過程を検討することを目的とし,いくつかの条件を換えて試料を調製し,各種の測定を行った.その結果,乾燥過程では水蒸気の顕著な影響があること,また焼成過程は500℃がよいこと,さらに水溶液の量はincipient wetnessとよばれるような水溶液量の少ない方法はむしろ活性が低くなることが分かった. また,バナジウムチナニア触媒についてはバナジア種の構造の違いに着目し,調製時のpHをかえて調製し,さらにキャラクタリゼーションを追加した.この結果,pHが低いほど表面バナジアの分散性が向上し,ベンゼン酸化反応における選択性も高くなる傾向が見られた.また,選択性は表面バナジアの配位数と関係することが示唆された. さらに,コバルアルミナ触媒については,酸化コバルト粒子の分散性に注目し,種々の方法で触媒を調製してプロペンによるNOxの選択還元反応に適用した.その結果この反応に対する活性種は高分散したコバルトアルミネートであり,これは触媒の焼成段階で生成することを確認した.また,コバルトアルミネート生成のため焼成温度は酸化コバルトの分散性に依存し,分散性の高い触媒ほど焼成温度でもよいことも確認した. このように今年度の総合的な研究の結果,三種類の担時金属酸化物触媒の調製に関する貴重な結果が得られた.今後,さらに調製の標準化に向けての研究を遂行する.
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