研究分担者 |
大塚 守三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30010896)
青山 和浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (80222488)
安澤 幸隆 九州大学, 工学部, 助教授 (10191123)
都井 裕 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40133087)
藤野 正隆 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10010787)
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研究概要 |
平成7年度では,生産計画をシステム化する前に,造船業における生産活動の特徴を整理し,生産計画のシステム化のために必要となる情報の表現に関して検討した。以下に実際に検討した項目と得られた知見を示す。 (1)作業の表現に関する検討 生産活動を整理することによって,造船の生産活動に存在する複数の工程では,生産対象である素材・中間製品を形態的に変化させる変換活動が行われていることが理解できた。この変換活動が行われる複数の工程を円滑に連結するために,運搬活動や停滞活動が存在することが理解できた。これらの活動を一般的に表現することの重要性が認識できた。 (2)生産対象の表現に関する検討 著者が既に構築している造船CIMのプロトタイプ・システムを有効に利用し,生産対象の表現に関して検討を行った。その結果として,著者らのシステムでは,船体構造を多数の板材・骨材を部材オブジェクトとして,また部材間の接合関係情報が接合関係オブジェクトとして定義されているが,複数の部材をグループ化することによって組立工程の中間製品を表現することが可能であり,また,接合関係情報の重要性を確認することが出来た。 (3)生産環境モデルの検討 生産設備,生産労働力などから構成される生産環境は,自己が有する生産機能を素材・中間製品に対して機能させることによって,新たな中間製品,および最終製品を造り上げる役割を担うものであることが理解でき,生産環境は生産活動を実現化する主体であり,生産活動における重要な構成要素であると位置づけることが出来た。そこで生産環境をモデル化し,工程計画,日程計画の計画作業に必要な生産情報を提供し,管理するものとして生産環境モデルを定義することができた。
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