研究分担者 |
荒井 克彦 福井大学, 工学部, 教授 (00115289)
浅岡 顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (50093175)
龍岡 文夫 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70111565)
諸戸 靖史 八戸工業大学, 工学部, 教授 (00105545)
飯塚 敦 金沢大学, 工学部, 助教授 (40184361)
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研究概要 |
砂質土を締固めながら,層状にジオシンセティックスを敷き込み,次第に盛り土をたち上げていくのが,ごく一般的な補強盛り土の築造法である.本年度はきたるべき現場実験の実施に向けての準備を鋭意とり進めている.特に現場実験に用いる特殊な形態の補強盛り土の施工法に工夫を要するため,研究代表者,研究分担者が集まって詳細な議論をとり行っている.これに加えて,過去に実施した3例の補強度盛り土の解析を進めている.過去数年間に,ほぼ毎年ひとつづつ,補強土盛り土を製作いし,その力学特性について研究を重ねてきた.まず,最初の現場実験として,ジオシンセティックスで補強した土で橋を製作した.支保工を順次取り外してゆく方法で橋のスパンを次第に広げてゆき,それに従って変形してゆく補強土の橋のパフォーマンスを計測するものである.次の年には,補強度で断崖絶壁を作ろうと言うことで,オーバーハングした逆勾配斜面を補強土で製作した.オーバーハング逆勾配斜面の立ち上がり高さを次第に増加させる方法で実験を行ったが,結論的には補強土の意外な強さを実証したかたちとなった.その次の年には前年度と同じく逆勾配斜面を製作した.実験の最終段階で設置したジオシンセティックス補強材を盛り土内部で切断し,急激に補強効果を除去することで逆勾配斜面の崩壊を人為的に発生させ,これにより,地盤の破壊の様相を詳細に観測することができ,安定解析のあり方についての貴重なデータが得られた.これと共に,補強材をいれない鉛直斜面をも合わせ構築し,その崩壊機構を観測した.これによりジオシンセティックスの補強効果が明らかになった.こういった3つの実物実験の結果を有限要素法で詳細に解析すると共に,それに用いる締め固め土の変形・強度特性を実験的に求めるための工夫をこらし,実際に実験を実施した.これにより,締め固め土をどのように構成モデルで近似するか,という疑問に対する貴重なデータを得た.
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