研究課題/領域番号 |
07305060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 総合 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今石 宣之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (60034394)
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研究分担者 |
干川 圭吾 信州大学, 教育学部, 教授 (10231573)
熊川 征司 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30022130)
塚田 隆夫 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10171969)
平田 彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063610)
尾添 紘之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (10033242)
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キーワード | バルク単結晶 / 移動現象 / 結晶育成工学 / 融液対流 / 気相内対流 / 融液物性 / シミュレーション / マランゴニ対流 |
研究概要 |
本研究グループは昨年度遅くに発足したが本年度は、光材料としてのLiNbO3等の酸化物や、電子材料としてのシリコンやInGaSbなど半導体のバルク単結晶の作製に関与する諸因子の影響を総括的に捕え、これまであまり系統的に体系付けられていなかった、結晶育成に関連する移動現象論の効果を定量的に評価し、定量的な論議の出来る結晶育成工学を構築することを目指して、実験的、理論的検討を開始した。本年度は2回の全体集会を持ち、各自の課題の報告を行い他の課題との関連を全員で討議した。各個研究の成果の主な点は下記の様に纏められる。 1)Cz炉、Fz炉、ブリッジマン炉等各種の育成炉を用いた単結晶育成における融液対流や温度・濃度分布の状況を予測するためのシミュレーションコードを多数完成した。更に、計算コード間の相互比較等を行い、各計算コードの信頼性を評価すると同時に、育成炉内の諸移動現象と結晶形状・品質との関連について定量的な理解を深めるための計算を進めている。 2)Cz炉によるLiNbO3単結晶育成について、実際の引き上げ条件に対応する条件、炉構造を用いた総合熱流動解析を行い、熱応分布の算出を行い、対応する実験と比較した。数値解析と実験の比較から酸化物結晶育成時のクラックの発生条件の分析を行ない、加熱炉の構造、印加電力等とクラック発生の関連を明らかにし、シミューションに基づいた、炉構造の改良策を提案した。また、大口径のシリコンやGaAs半導体結晶内の熱応力の発生状況と転位発生のシミュレーション技術を完成した。 3)酸化物、半導体の融液の物性の測定を開始した。 今後、さらに総合的な検討を行い、単結晶作製プロセスの定量化、工学体系化、結晶品質向上のための制御法の体系化を進める予定である。来年度は、これまでおよび来年度の結果を合わせて、体系化を行う予定である。
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