研究課題/領域番号 |
07306003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田付 貞洋 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40163480)
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研究分担者 |
吉安 裕 京都府立大学, 農学部, 助教授 (90038315)
戒能 洋一 筑波大学, 農林学系, 講師 (20183775)
本田 洋 筑波大学, 農林学系, 助教授 (90126160)
星崎 杉彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (10270894)
石川 幸男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60125987)
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キーワード | 総合分類 / 分子系統学 / 形態分類 / 配偶行動 / 性フェロモン / ミトコンドリアDNA / 寄主特異性 / ノメイガ亜科 |
研究概要 |
1.日本産アワノメイガ属の性フェロモンに関する研究 (1)アワノメイガ性フェロモンの地理的変異を岩手県、千葉県、広島県、熊本県の各個体群を用いて検討したところ、岩手県、千葉県、広島県の3個体群と熊本県の個体群間に地理的変異の存在が示された。 (2)アズキノメイガの性フェロモンの多型を遺伝様式を含めて詳細に検討したところ、表現型、遺伝様式ともに近縁のヨーロッパアワノメイガの場合と酷似している興味深い事実が判明した。 2.日本差アワノメイガ属のミトコンドリアDNAによる系統解析 日本産アワノメイガ種群6種について、COII遺伝子の種内変異を調べた。アワノメイガを除く各種1%前後の変異がみられたが、アワノメイガには種内変異がまったくみつからなかった。さらに、種内変異を考慮した分子系統樹を作成した。 3.アワノメイガ属の未同定種南西諸島産ツワブキノメイガ(仮称)の生理生態学的特性 発育と光周反応を調べたところ、同属の他種と比べて生育に要する日数が長いこと、発育0点が高いこと、休眠誘導の臨界日長が短いことがわかり、本種が他種と比べて温暖な気候に適応していることが示された。 4.モモノゴマダラノメイガの雄フェロモン 本種の雄から溶媒抽出した成分のうち、雌の触角に電気生理学的な応答を引き起こす成分をチグリン酸と同定した。風洞実験の結果、雄が抽出物ならびにチグリン酸に誘引されることが示された。この物質のは姉妹種のマツノゴマダラノメイガからは見いだされず、両種の生殖隔離に機能する可能性が示された。
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