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1995 年度 実績報告書

日本と東南アジアにおける「里山」利用の展開に関する比較史研究

研究課題

研究課題/領域番号 07306007
研究種目

総合研究(A)

研究機関筑波大学

研究代表者

成田 雅美  筑波大学, 農林学系, 助教授 (30164502)

研究分担者 増田 美砂  筑波大学, 農林学系, 助教授 (70192747)
安食 和宏  三重大学, 人文学部, 助教授 (00231910)
土屋 俊幸  岩手大学, 農学部, 助教授 (50271846)
砂坂 元幸  筑波大学, 農林学系, 講師 (80015669)
加藤 衛拡  筑波大学, 農林学系, 助教授 (70177476)
キーワード里山 / 切替畑 / マングローヴ / 都市近郊林
研究概要

研究代表者および分担者は、それぞれ個別に「里山」に関する調査を行うと共に、研究会を2回実施し、日本と東南アジアの比較を行った。
第1回目の研究会では、加藤が日本の武蔵国青梅・西川地方を例に、近世初期・中期における江戸近郊山村の林野利用の展開過程と林野所持の成立について報告した。この地域では切替畑が里山全体に開発され、これに寛文検地が実施された。切替畑には広い切替予定地=切替畑付林野が付属し、江戸で需要の高まった薪炭・用材のための森林が造成されていた。寛文検地が切替畑を検地したことで、これら林野の所持も確定し、そこでの薪炭林・用材林造成が積極化した。
第2回目の研究会では、まず安食がフィリピンのマングローヴ林の開発、特に養殖池への開発について報告した。マングローヴ林は国有地のため、政府が大規模な売払いや貸し付けを進め、60年代には国内向けのミルクフイッシュの養殖のために、80年代からは日本向け輸出を中心としたエビ養殖のために、大規模な開発が進行した。その結果、マングローヴ林が本来持っていた海浜の保全や魚貝類増殖の機能が損われ、住民の伝統的な生活や生産が成立しなくなり、一方、養殖池での賃労働という雇用機会を創出した。つづいて増田が、インドネシアの伝統的林業地域における林業生産の変化について報告した。林野行政制度の変遷を踏まえた上で、中スラウェシ州における黒壇の生産は、国内市場を対象にした小規模なものから、日本市場への輸出が始ったことで大規模化したこと、リオウ州におけるマングローヴ林の伐採も、シンガポール向けの小規模な木材・木炭生産から、中国系インドネシア人の経営による商品価値の高い木炭生産が中心になったことを明らかにした。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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