研究課題/領域番号 |
07306011
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 学 東京大学, 農学部, 教授 (70012028)
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研究分担者 |
田嶋 俊雄 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (10171696)
清水 洋二 拓殖大学, 政経学部, 教授 (40114508)
大鎌 邦雄 農水省, 農業総合研究所・海外部, 室長
津谷 好人 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20107014)
岩本 純明 東京大学, 農学部, 助教授 (40117479)
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キーワード | 農法 / 勧農政策 / 水利 / 有機農業 / 環境 |
研究概要 |
研究初年の本年度は、研究会で問題意識を共有するとともに、共同資料調査を実施した。1.研究会。共同研究者の問題意識を共有化するため、月1回のペースで研究会を実施した。日本・イギリス・中国・朝鮮・ドイツ・インドネシアなどを対象に、比較農法史的観点から従来の研究の再検討がなされた。また資料としては、名古屋大学農学部が保管する「東大保転図書」の中に、明治初期勧農政策に関する豊富な資料が含まれていることを発見した。2.共同調査。研究分担者が各自の分担課題にそった調査を行う一方で、秋田県および岡山市で集中的な資料調査を実施した。秋田県では県公文書館が所蔵する明治期勧業政策に関する資料を多数収集したほか、旧村資料が豊富な平鹿町図書館で、農家経営の動きを個別経営のレベルで追跡しうる戸数割資料や農業技術の奨励・普及に関する資料を収集した。また、周辺の増田町・十文字町でも直接生産者の経営・技術構造を検討しうる資料を発見・収集した。いずれも本格的な分析は次年度の課題となるが、戦前期農業生産力構造の理解が深まるものと期待できる。岡山市では、犬養木堂家が所蔵する村方資料を調査した。とくに用水関係資料が豊富に残されており、用水利用をめぐる村々ないし村内部の権利関係や水利用システムを具体的に明らかにしうる第一級の資料であることが判明した。以上の他、北海道と山形で有機農業者の調査をおこない、環境保全型農法の実態認識を深めた。諸外国の農法展開についての研究は主として文献研究によって行ったが、中国華北の畑作農法、インドネシアの水田農法、イギリスの環境政策などをテーマに研究会で論点が深められた。
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