研究課題/領域番号 |
07306013
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大島 光昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (20035976)
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研究分担者 |
増子 孝義 東京農業大学, 生物生産学部, 助教授 (50123063)
横田 浩臣 名古屋大学, 農学部, 助教授 (40023478)
安宅 一夫 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (70048122)
熊井 清雄 愛媛大学, 農学部, 教授 (20036461)
内田 仙二 岡山大学, 農学部, 教授 (80032986)
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キーワード | サイレ-ジ品質 / サイレ-ジ添加物 / 地域差 / 乳酸菌 / 繊維分解酵素 / 牧草搾汁発酵液 / 草種間比較 |
研究概要 |
本研究の目的は、サイレ-ジ品質に及ぼす地域的要因を解析し、添加物処理等によりそれらを克服して安定的に良品質サイレ-ジ調製法を確立するところにある。初年度(平成7年度)は地域差を温度差として捉え、亜寒帯-亜熱帯草種を20、30及び40℃で貯蔵した場合の添加物の考案の効果について検討した。アルファルファ高水分サイレ-ジは、貯蔵温度が40℃に及ぶ高温下では添加物の有無にかかわらず安定した発酵品質を示すが、30℃以下で良品質サイレ-ジを得るには、添加物を必要とする。その場合、市販乳酸菌添加は時により効果がなかったのに対し、嫌気下で2、3日培養したアルファルファ搾汁の微量(0.2%)添加により、どの温度においても必ず良品質サイレ-ジが得られた。破砕・圧搾処理をした場合には添加物の有無に関係なく、いずれの温度域でも良好な発酵品質を示したが、その効果は低水分化と緩衝力の低下によるものである。イネ科牧草は、亜寒帯草種のオ-チャードグラス及び亜熱帯草種であるローズグラス、ネピアグラス及びギニアグラスのいずれも添加物を使用しなくても良いサイレ-ジになり、乳酸菌を添加してもあまり効果が得られなかったが、それとともにセルラーゼを添加すると品質が有意に改善された。この場合も、40℃がもっとも良い結果を示した。 以上の結果は、絶えず高温状態が得られる条件下(たとえば夏期炎天下で貯蔵したロールベールサイレ-ジ)では、アルファルファのような、緩衝力が高く糖質が少ないためサイレ-ジ化が困難とされる材料からも良品質サイレ-ジが得られること、しかし貯蔵中の高温が期待できない場合は添加物を必要とし、その場合、特定の至適条件を持つ特定の乳酸菌の添加よりも、サイレ-ジ材料草に付着する乳酸菌を予め培養して添加した方が確実によい結果が得られること、そしてこの培養はなんら道具を要しないこと等を示した。もしこのような結果が今後、あらゆる地域においていかなる草種でも得られれば、サイレ-ジ調製上の地域的問題はほぼ解決されることになるので、さらに検討を繰り返し、その方法の確立を待って、牛の飼養に及ぼす影響について検討したい。
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