研究課題
基盤研究(A)
わが国にも気管支炎、肺炎、肝炎、小脳炎、髄膜脳炎など多彩な病像を示す急性Q熱患者および心内膜炎や肝炎など慢性Q熱患者が広く存在することを血清疫学的および病原学的に明らかにした。また、家畜、伴侶動物、野生動物、家禽および野鳥にも本菌が広く浸潤し、感染源になる可能性を明らかにした。日本分離株には病原性の異なるC.burnetiiが存在することを蛋白質やLPS構造の免疫化学的および遺伝学的解析から示唆した。さらに、Q熱の新しい簡便な高比重粒子凝集反応による診断法とComl遺伝子およびプラスミド遺伝子から設計したプライマーによる新しい遺伝子診断(PCR)法を開発した。今後本邦におけるQ熱のより詳細な実態を解明するには、一般市民をはじめ医師や獣医師などにQ熱に対する知識や診断法の普及をしなければならない。また、ヒトのQ熱や動物のコクシエラ症に関する詳細な疫学的調査および研究体制は勿論、サーベイランスシステムや予防対策の確立などは″国″、厚生省および農林水産省として急務であろう。
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