研究分担者 |
ミヤモト 和久 大阪大学, 薬学部, 教授 (30028849)
熊澤 修造 東海大学, 海洋学部, 教授 (30161699)
小野寺 一清 東京大学, 農学部, 教授 (90012773)
魚住 武司 東京大学, 農学部, 教授 (40011978)
大宮 邦雄 三重大学, 生物資源学部, 教授 (60023488)
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研究概要 |
平成8年2月16-17日三重大学にて研究会を開催した。班員以外に京都大学助教授樋口芳樹,千葉大学教授藤井貴明氏を専門家として招待した。研究会には班員以外若干名が参加した。発表者のテーマは次のとおりであった。渡辺(窒素固定から水素ガス発生へ),小野寺(ニトロゲナーゼによる水素ガス発生)魚住(Azospirillum lipoferumの窒素固定能の制御),熊沢(海産窒素固定らん藻による水素ガス発生),浅田(遺伝子組み換えによる光合成微生物の水素ガス生産能増強の試み),西原(海洋性水素酸化細菌Hydrogenovibrio marinusのヒドロゲナーゼ),樋口(硫酸還元菌ヒドロゲナーゼの結晶構造),宮本和久(緑藻によるCO2固定と藻類バイオマスの水素ガス生産),大宮(嫌気性菌のキティン-ゼ遺伝子と水素ガス発生),藤井(水素ガス発生性紅色非硫黄細菌の炭素代謝と電子供与体) 2 特記すべき研究結果 小野寺はタングステン抵抗性のニトロゲナーゼを持つAzotobacterのミュータントが水素ガス発生能にすぐれていることを示して、今後の新微生物探索の方向を示唆した。魚住はAzospirillumのニトロゲナーゼ酵素の活性修飾をする2種の酵素遺伝子drag,dratを明らかにし,ニトロゲナーゼ活性がアンモニアで抑制されない方法の開発をおこなった。熊沢は非常に水素ガス発生能の高いらん藻の改良に取り組んだ。西原は酸素ガスと熱に強いヒドロゲナーゼを見い出した。宮本ははNOxと二酸化炭素含有ガスを利用する海産微細藻類の培養法の工学的検討を行った。大宮は難分解性物質からの水素ガス生産に利用しようと,キティナーゼ遺伝子を解析した。 いずれも水素ガス生物生産の今後の改良戦略の基礎となる知見であった。
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