研究課題/領域番号 |
07306020
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 英明 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (80026418)
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研究分担者 |
小西 茂樹 静岡大学, 農学部, 教授 (70026417)
茅野 充男 東京大学, 農学部, 教授 (10007677)
我妻 忠雄 山形大学, 農学部, 教授 (70007079)
森 敏 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (90011915)
但野 利秋 北海道大学, 農学部, 教授 (40001440)
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キーワード | イオンストレス / 応答反応 / 耐性獲得 / アルミニウム / リン酸欠乏 / 鉄欠乏 / 重金属 / 根圏 |
研究概要 |
^<59>Fe-ムギネ酸を用いオオムギの鉄吸収実験を行った。導管から葉肉細胞への鉄の取り込みが暗処理によって阻害されることを明らかにした。言い換えると、鉄の移行が光に強く依存することを明らかにした。さらに単離クロロプラストを用いた実験においても、クロロプラストへの鉄の移行が完全に光依存であることを明らかにした。他方、暗条件ではクロロプラストから鉄が溶出することを明らかにした。 鉄欠乏時にリボフラビンが分泌され、同時に鉄還元酵素活性が促進されるが、その過程にアスコルビン酸の増加が起こることが明らかになった。アスコルビン酸の役割はリボフラビン生合成の制御物質がアスコルビン酸によって抑制されることを明らかにした。 オオムギを用い鉄欠乏栽培時にリン酸濃度を低下させると、鉄欠乏症状の発生がみられなかった。その理由として、生体内でリン酸と結合して不動化される鉄含量が減少するものと考えられた。言い換えると、リン酸の含量が低いと有効態の鉄量が減少しないことを意味している。 アルミニウムストレスと微小管の配向性についてコムギ根を用いて研究を行った。根伸長域の細胞伸長がAlで阻害されたが、Alによる伸長阻害の出現とほぼ同時に、微小管の配向性がみられなくなった。一方、分裂域の細胞ではそのような減少はみられなかった。蛍光X線マッピング(XEMS)によりチヤ葉中のMn、Ca、K含量に対するAl添加の影響を調べた結果、Alの添加によりMnを300ppm与えても、その含量はAlを与えない場合の半分に抑制された。しかし、Ca、K含量の変化は認めれなかった。Mnの細胞内分布をみると、細胞壁に結合しているMn量に大きな差を認めた。Al耐性機構に根から分泌される有機酸が関与していると考えられているが、根圏は有機酸は土壌に吸着されたり、微生物によって分解されるので、有機酸の効果は主としてアポプラスト中のものによると推察された。
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