研究課題/領域番号 |
07307002
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
森本 武利 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30079694)
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研究分担者 |
山下 博 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030841)
河田 光博 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (60112512)
竹井 祥郎 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10129249)
白木 啓三 産業医科大学, 医学部, 教授 (00035453)
河南 洋 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (00049058)
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キーワード | 水分代謝 / 環境適応 / 飲水 / 中枢性体液調節 / 水分代謝の比較生理学 / 水分代謝と体温 / 水分代謝と循環 / 予測制御 |
研究概要 |
平成8年11月29日-30日に京都のおいて班会議を開催し、各班員の2年間の研究の纏めを報告し、同時にそれぞれの立場から情報の提供および討議を行った。それぞれ1時間の持ち時間で各自の研究について報告し、また十分の討議をすることが出来、将来の研究について討議することが出来、その成果は大きかった。 それぞれの研究成果としては、AVP分泌調節機構に対するEstrogenの影響の解析により、EstrogenがAVP分泌細胞およびAV3Vニューロンの浸透圧感受性閾値を低下させることを明らかにしたほか、飲水時の胃電図による解析の可能性を報告した(本間、赤石)。体液Naバランスの恒常性維持における、肝-腎反射の解析より、体液調節系にはnegative feedforward機構が働くことを明らかにした。(森田、細見)ラットの中枢性体液調節におけるIL-1 βの役割を、飲水行動、心血管系と腎排泄機能および脳内のノルアドレナリン動態について解析し、交感神経系の活性化による尿中へのNa, K排泄量の減少、AV3V、腹部迷走神経の関与等を明らかにした。(河南)、頚下浸水による体液量の変化の血液密度ならびに電解質の連続測定法による解析(白木)、ANPおよびAGIIの構造と機能を比較生理学の視点から解析し、C型ナトリウム利尿ヘプチド(CNP)が祖先型で、BNPは陸上動物型、VNPは水生動物型であること(竹井)、ラットにおいて、正中視索前核がADH分泌に関与していること(根来)、PVNおよびSONの神経分泌ニューロンが直接浸透圧変化を関知する機構ならびに脳室周囲器官とのニューロンネットワークを介して体液浸透圧の情報を統合する機構に付いて、スライス標本のパッチクランプ法等による解析を行い、さらに遺伝性多飲マウスの遺伝子解析による検討を進めた。(山下)、AVPが脾臓でも産生され、血球分化に関与していること、グルココルチコイドが発生初期の神経組織発生のコントローラーとして働く可能性などを明らかにした。(河田)、脳脊髄液浸透圧の体温調節反応に及ぼす影響(能勢)、水分代謝と循環調節の接点としての中心静脈圧および血液浸透圧の役割(森本)などが報告された。
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