研究課題/領域番号 |
07307003
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山村 博平 神戸大学, 医学部, 教授 (90030882)
|
研究分担者 |
野澤 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
武藤 多津郎 福井医科大学, 医学部, 助手 (60190857)
岡田 雅人 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (10177058)
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40134621)
的崎 尚 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (80252782)
|
キーワード | チロシンキナーゼ / Syk / SH2 / チロシンホスファターゼ / SH-PTP2 / CSk / ZAP-70 / Trk |
研究概要 |
Syk familyであるチロシンキナーゼZap-70の2つのチロシン燐酸化残基との結合様式が明らかにされたが、我々はSykそのものの2つのSH2についてその作用のちがいについて検討したところ、Sykのカルシウム動員作用等の活性化において双方のSH2が必要であることを明らかにするとともに、S末側のSH2がより重要な役割を果たしていることを明らかにした。SH2を2つ有するチロシンホスファターゼSAP-2/SH-PTP2の生理機能を明らかにするため基質蛋白質の解析を行なった。この酵素の恐らくSH2を介して分子量120Kのチロシン燐酸化蛋白質が会合していることを見い出しさらにこの蛋白質を精製したところ細胞内にYXXV/Lモチーフを有する膜糖蛋白質であることを明らかにした。SH2を有するCskチロシンキナーゼの生理機能を神経分化モデル細胞を道いて解析したところ、PC12細胞においては、脱分極刺激によってSrcの基質であるパキシリンがチロシン燐酸化されここにCskがSH2を介して結合することを明らかにした。P19細胞を用いては、Cskの発現によるSrcの不活化によって、神経細胞の軸索の進展が阻害されることを見い出した。T細胞抗原受容体刺激後のFynがZAP-70と一過性に会合し、ZAP-70の活性化に貢献していることを示した。その会合にFynのSH2が必須であることをGST-FynSH2融合蛋白質やSH2欠失Fynを用いてin vivo及びin vitroで明らかにした。このほか培養肝臓細胞を肝細胞増殖因子(HGF)で刺激した際の初期応答としてチロシンキナーゼからRasを介してMAPキナーゼを活性化する経路の存在を見い出した。またGM1ガングリオシドが神経成長因子(NGF)の高親和性受容体であるTrkに特異的に結合しTrkを介する情報伝達系を刺激することを明らかにした。従ってGM1ガングリオキシドの細胞死防御機構にTrkが関与している可能性を示唆した。
|