研究課題/領域番号 |
07307008
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
法医学
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
吉岡 尚文 秋田大学, 医学部, 教授 (80108935)
|
研究分担者 |
津金澤 督雄 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80064517)
石津 日出雄 岡山大学, 医学部, 教授 (70033157)
辻 力 和歌山県立医科大学, 教授 (50073680)
山内 春夫 新潟大学, 医学部, 教授 (30134919)
鈴木 庸夫 山形大学, 医学部, 教授 (70004588)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
キーワード | 自殺 / 日本人 / 疫学 / 縊頸 / えん世 / 精神科疾患 / 老人福祉 |
研究概要 |
自殺率の高い県、低い県あるいは全国平均並みの県等、14県を対象に、平成元年から7年までの7年間の自殺者の総計約31500例(男性19800、女性11700)につき、各県警察本部の協力を得て、個々の内容を詳しく調査し、統計学的に分析、考察した。その結果以下の点が明らかとなった。 *秋田県、新潟県、岩手県はどの年も自殺率が極めて高く、交通事故による死亡者の2〜3倍の数である。一方、石川県、滋賀県、三重県、岡山県の自殺率は常に低い。 *男女とも高齢者群での自殺者が多い。また、男性では働き盛りの年代での自殺も多く、経済的要因が背景となっている。 *高齢者の自殺の背景は病苦とされているものが大部分である。しかし、それが真の動機となった例は少ない。壮年〜中高年では精神疾患を有する人の自殺が多い(女性で顕著)。 *自殺の手段はどの年齢層でも縊頸が多く、特に高齢者で顕著である。 *自殺者の内、独居者の占める割合は極めて少ないが、独居者の自殺は独居5年目以降で多くなる。 *季節的にみると、春から初夏にかけて多く、冬期間はむしろ少ない。 以上より、差し当たり着手すべきは、高齢者ならびに精神科的疾患を有する人に的を絞り具体的な防止対策を講ずることであろうと考える。例えば、高齢者の相談にのるシステムの徹底と情宣、市町村単位での自殺防止運動の展開、精神科医を含め医療関係者の自殺防止への積極的な取り組み、マスメディアの自殺防止キャンペーンへの協力などの他、優先されるべきこととして、家庭内、家族内での内面問題の解消が挙げられる。これらと併行して老人自身の自立心向上、精神面の教育がなされる環境を整えることも肝要である。
|