研究課題
1.菅野:ストレプトゾシン誘発性糖尿病ラットの腸間膜動脈において、アセチルコリン(ACh)刺激による内皮依存性過分極反応は有無に低下し、かつ時間経過が一過性になること、および、ラット腸間膜動脈において酸化LDLの主成分であるlysophosphatidyl-choline(LPC)がEDHFの産生・遊離を抑制することを明らかにした。2.鈴木:モルモット細動脈においてEDHFは2種類のCa感受性Kチャネルを活性化し膜を過分極させること、モルモット冠動脈において内皮依存性過分極反応はEDHF(Ca感受性Kチャネル)とプロスタノイド(遅延整流性Kチャネル)により惹起されることを示した。3.伊藤:ウサギ中大脳動脈でのACh刺激により産生されるEDHFはapamin感受性Kチャネルの活性化により過分極を惹起すること、およびNO非依存性の弛緩反応は大動脈・静脈に比し微小血管で大きいこと、をしめした。4.由井:LPCはNOによる弛緩反応だけではなくEDHFによる弛緩反応も抑制することを示した。5.下川・竹下:内皮依存性弛緩反応におけるEDHFの役割は微小血管ほど大きいことをラット・ブタ・家兎・ヒトの動脈において示した。また、内皮依存性でかつNO非依存性の拡張反応が閉経後女性や虚血性心臓病患者で低下しており、エストロゲンの急性投与やエイコサペンタエン酸の慢性投与により改善することを明らかにした。6.藤井:自然発症高血圧ラット(SHR)ではNOに比しEDHFによる弛緩反応が低下していること、および降圧薬の中ではACE阻害剤が低下したEDHFの反応を最も改善させることを示した。7.中島:運動がEDHFによる弛緩反応を増強すること、現在臨床で使用されている吸入麻酔薬のほとんどがEDHFの反応を抑制することを明らかにした。
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