研究課題/領域番号 |
07307011
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
加藤 裕久 久留米大学, 医学部, 教授 (30080724)
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研究分担者 |
山西 弘一 大阪大学, 医学部, 教授 (10029811)
内山 竹彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00050550)
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 教授 (50009700)
古川 漸 山口大学, 医学部, 教授 (30095830)
柳澤 正義 東京大学, 医学部, 教授 (90049031)
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キーワード | 川崎病 / スーパー抗原 / Heat shock protein / HHV-6 / TNF-α / HLA |
研究概要 |
a)細菌学的検討。川崎病患者咽頭あるいは便より得られた細菌の培養ろ液の上清にTSST-1等の既知のスーパー抗原の検出を行ったが、対照と明らかな差は認められなかった。8年度はさらに症例数を増やし、また未知のトキシンの存在をリンパ球のmitogen活性を指標として検討を重ねていく予定である。さらに急性期患者血清中の細菌由来のHeat shock proteinをコードする遺伝子をPCR法にて検出したところ陽性例が認められるが、まだ、症例数が少なく今後の重要な課題である。 b)ウイルス学的検討。患者血清中の川崎病の原因である可能性のあるウイルス、HHV-6,HHV-7並びにパルボウイルスB19をPCR法、あるいは抗体価による検討を行ったが患者と対照に有意の差は認められなかった。しかし症例数もまだ少数で今後も継続して検討を行う。 c)免疫学的検討。川崎病患者の末梢血リンパ球のアポトーシスの検討を行ったが、対照との差は認められなかった。この検討は方法の特異性の問題、あるいリンパ球を採取する時期の問題等解決すべき諸問題が残っており、病態から成因を考える上で今後の重要な研究課題であり研究を継続する。また川崎病の感受性の観点から、川崎病の病態におおきな関与をしているTNF-αについて、既知のTNF-α遺伝子のプロモーター領域の多型と川崎病との関係をPCR-ASO法で検討したが、対照との差は認められなかった。また川崎病のHLA-DNAタイピングを行った。64例の川崎病患者と525例の対照との比較ではDPB1、0202あるいは0601において、有意差が認められた(relative riskはそれぞれ3.7と4.3)。これらは、川崎病の発症と関与し、重症度とは関係していないものと考えられた。以上より川崎病の感受性にはHLA-DPB1遺伝子座が関与していると考えられ、今後の成因を検討するうえでの重要な手掛かりとなると期待される。また細菌と川崎病の関係を示唆するデータが出ており今後の研究の方向づけの指標となることが期待される。
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