研究課題/領域番号 |
07307016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉井 信 東北大学, 医学部, 教授 (90004720)
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研究分担者 |
若倉 雅登 北里大学, 医学部, 助教授 (50137931)
荒木 正介 京都府立医科大学, 生物学科, 教授 (00118449)
田内 雅規 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (00075425)
斉藤 建彦 筑波大学, 生物学系, 教授 (20081630)
福田 淳 大阪大学, 医学部, 教授 (90028598)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 再生 / 移植 / 視神経 / 坐骨神経 / 網膜 / 網膜色素上皮細胞 / ミュラー細胞 / 神経栄養因子 |
研究概要 |
1)網膜視神経細胞変性過程:ラット網膜を用いて視神経を切断後長期生存する神経節細胞突起の網膜内走行を、蛍光色素を細胞内注入した後にレーザー顕微鏡を用いて3次元的に検討した。2)網膜細胞突起伸展因子:成熟哺乳動物網膜の分散培養系を確立し、神経栄養因子の生存維持、神経突起再生促進効果を検討した。3)網膜再生促進機構:網膜移植の対象である網膜変性疾患に対して、走査レーザー検眼鏡(SLO)を用いて黄斑部を詳細に解析し、検眼鏡的には捉えられない新たな所見を得た。4)鳥類胚を用いた網膜再生の遺伝学的解析:シルバ-変異ウズラ胚で見られる色素上皮から網膜への分化転換現象の解析を継続した。aFGFに対する感受性が野生型に比べてかなり高いことを組織培養実験で明らかにした。5)移植による視神経の再生・坐骨神経によって、軸策再生したネコ網膜神経節細胞にはON型細胞がOFF型細胞に比べ多いことが、逆行性標識細胞の垂直網膜切片の解析から分かった。6)視覚機能回復の行動学・成熟哺乳動物において、眼窩内で切断した視神経に自家移植した末梢神経は網膜神経節細胞の軸策再生を促し、その主要な標的である上丘において機能的シナプスを再形成する。私たちは、このように末梢神経を移植したラットおよびハムスターにおける視覚の機能回復について以下の4つの異なる行動課題を用いて調べた。7)視神経再生促進機構:新しいグルタミン酸アゴニストであるdyshiferbalineを用いて培養網膜ニューロンとミュラー細胞の応答を、細胞内カルシウム濃度画像解析により調べ、これがnon-NMDA受容体アゴニストに属する可能性があるが、AMPとは異なる態度を示すことを示した。またアデノシン/プリン受容体応答、およびアセチルコリン受容体応答に関する論文をまとめた。またレ-ベル病の解析も進め、ミトコンドリアNA9804変異のレ-ベル病疑い例を報告した。8)網膜再生の生理学:イモリ網膜神経組織の再生過程で、網膜を鋼製する各種神経細胞は、神経節細胞>視細胞>アマクリン細胞、水平細胞、双極細胞の順に発現することを免疫組織化学的に明らかにした。網膜再生の起源となる色素上皮細胞は、培養過程で神経細胞の持つ電位依存性のNa^+とCaチャネルに類似したイオンチャネルを発現することを明らかにした。9)移植による網膜の再生:bFGF遺伝子導入虹彩色色素細胞を遺伝的網膜色素変性症ラット(RCSラット)の網膜下腔内に移植し、視細胞の生存を確かめた。さらに、視細胞の特異的機能であるトランスデューシンmRNAの発現が、移植部位の網膜で高いことが判明した。
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