研究概要 |
1.顎・口腔・顔面領域の感覚,運動機能に関する神経系各部位,各レベルにおける統合機構の解析を前提として,入出力系の同定,内部の神経回路網解析等各部位の性質を調べた. (1)味覚受容膜(佐藤):カエル単離味細胞のホールセルクランプとパッチクランプを行い,トランスダクションに関する各種イオンチャネルと相互作用を調べた. (2)味蕾・味神経(丸井,笠原):ラット,カエルを用いて,各種アミノ酸,脂肪酸,核酸関連物質,その誘導体,類似物質等の特殊な味刺激液にたいする,軟口蓋を含む特殊領域の味蕾由来線維の反応特性を調べた. (3)体性感覚神経(重永):HRP細胞内染色法と電顕観察を組み合わせ,三叉神経感覚核において機能が同定された一次神経中枢側終末のシナプス結合の様式を調べた. (4)感覚性中枢神経系(林,角野,山本):ラット,ネコ,サルを用いて脳幹,大脳皮質,扁桃核における味覚,体性感覚情報の入出力や内部の神経回路を電気生理学的,行動生理学的に調べた. (5)運動性中枢神経系(中村,野崎,村上,安井,天野):モルモット,ラット,ネコ,サルを用いて脳幹,大脳皮質・基底核,黒質における顎運動関連情報の入出力と単一神経の性質を電気生理学的に,また組織化学的に調べた. (6)咀嚼運動(渡辺,山田,森本,高西):ウサギ,ネコ,ヒトを用いて刺激誘発性または随意的に咀嚼運動を発現させ,外乱を加えてそれに対する運動,咬合力,神経,筋の応答変化から受容器や反射経路を調べた.さらに咀嚼ロボットの開発を行った.
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