研究分担者 |
山形 要人 東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学部門生物学部門, 副参事 (20263262)
米田 悦啓 大阪大学, 医学部, 教授 (80191667)
藤本 豊士 群馬大学, 医学部, 教授 (50115929)
仙波 恵美子 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00135691)
斉藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
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研究概要 |
細胞膜から核までのシグナル伝達機構の解析対象として,細胞膜内蛋白質,膜関連蛋白質,細胞骨格蛋白質,細胞質,核膜孔そして核内蛋白質を特定し,各々の遺伝子と蛋白質の発現,およびそれらの変動と光顕と電顕レベルで精査した.膜ないし膜蛋白質として,細胞質カベオラそしてリンパ球表面マーカーのCD38を対象とした.Gi2aやcholesterolおよびsphingomyelin等これまでカベオラ画分の分子といわれていた分子はin vivoではカベオラに局在しないことを初めて明らかにした.cyclic ADP riboseの合成酵素ADP-ribosyl cyclaseの活性と分子構造上高いホモロジーとを持つCD38の遺伝子発現を脳で精査すると,予想されたリアノジン受容体の豊富なニューロンではなく,グリア細胞にのみ局在することを初めて明らかにした.次に細胞膜裏打ち蛋白数種とアクチン等の細胞骨格との機能関連の微細構造を筋細胞で解析した後,3種のリン酸化酵素(protein kinase C、 Ca/Calmodulin-dependent protein kinase IV, diacyglycerol kinase)の分子構造と活性特性,それらの遺伝子とタンパク質の細胞組織内局在とその機能的変動を詳細に解析した.これらの分子のいくつかは核内に局在することが判明したので,核移行にの分子機構を明らかにすべく,核膜孔ターゲッチング複合体を同定し,細胞外刺激での核移行にそれらのリン酸化が関与することを明らかにした.また,シグナルカスケード進行の結果として惹機される細胞反応として,既知のimmediate early genes (IEG)である細胞性ガン遺伝子(c-fos, c-jun, NGFI-A等)の外的刺激による多様な発現変動の詳細な解析,およびArcと名付けた新たなIEGを脳海馬で発見してそのシナプス可塑性への関与の可能性を検討した.また細胞内小胞輸送機構に関与するsmall G-proteinのうちrab 12に注目して,心房筋細胞ANP顆粒の分泌にこのタンパクが関与することも免疫細胞化学的に明らかにした.
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