研究課題/領域番号 |
07307028
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
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研究分担者 |
新井 洋由 東京大学, 薬学部, 助教授 (40167987)
小池 薫 日本医科大学, 医学部, 助手 (10267164)
本田 善一郎 東京大学, 保健管理センター, 助手 (70238814)
田上 清一 北海道大学, 医学部, 助手 (80241305)
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キーワード | ホスホリパーゼA_2 / 腎盂炎 / 多臓器不全 / 糖尿病 / 乳ガン細胞 / PAFアセチルヒドロラーゼ / 即時型アレルギー |
研究概要 |
分泌性ホスホリパーゼA_2 1)ヒト尿中のホスホリパーゼA_2活性を測定した。その結果、(1)女性に比べ男性の尿中のPLA_2活性が有意に高いこと、(2)腎盂炎患者の尿中にPLA_2活性が高いことをそれぞれ観察した。腎盂炎患者尿から酵素を生成したところ、分子量約50キロダルトンの酵素で、カラムクロマトグラフでの挙動や性状から判断して、以前にわれわれがラット腎臓メサンギアル細胞を材料に検出したPLA_2γと類似の酵素であると結論した。 2)多臓器不全ラット実験モデルでII型PLA_2が関与する事実を基に、ヒト多臓器不全患者の血液中のPLA_2活生の測定をめざし、これまでにヒト血清が存在下で、酵素活性と酵素量が相関する免疫測定キットを作製した。 細胞質ホスホリパーゼA_2 3)糖尿病患者で観察されるアラキドン酸カスケードの異常な亢進が合併症に直接関係する可能性を想定し、患者血球系細胞のcPLA_2活性を測定した。その結果、糖尿病患者血小板中の活性が高値を示し、糖尿病治療の終了時に低値になることを観察した。 4)cPLA_2活性の抑制と患者の関連を想定し、阻害活性を検索した。その結果、ヒト羊水中および乳ガン細胞中に阻害活性を検出した。 PAFアセチルヒドロラーゼ 5)これまでに臓器由来アセチルヒドロラーゼを3種類精製した。このうちあるアイソザイムの一つのサブユニットが、脳発育不全症であるミラーディーカー症候群の原因遺伝子であることがわかった。 6)マウス培養肥満細胞が活性化にともない、分泌性PAFアセチルヒドロラーゼを放出することを見いだした。即時型アレルギー反応における役割を検討中である。
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