研究分担者 |
高橋 光明 旭川医大, 医学部, 講師 (50094652)
富山 俊一 日本医大, 医学部, 助教授 (00094665)
久保 武 大阪大学, 医学部, 教授 (30107031)
中井 義明 大阪市立大, 医学部, 教授 (10046998)
柳田 則之 名古屋大学, 医学部, 教授 (00023804)
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研究概要 |
A. 臨床的研究 1)いわゆるステロイド依存性難聴の臨床像と,既知の自己免疫疾患をもつ患者に生じた急性感音難聴の臨床像について検討した。 2)高度感音難聴者に対し,人工内耳埋込み術の際外リンパ液を採取,PCR法,RT-PCR法により種々のDNAウィルス,RNAウィルス遺伝子の検出を試みた。 3)耳硬化症患者の末梢血リンパ球のHLA(human leukocyte antigen)遺伝子群のタイピングを行い,正常人の結果と比較した結果,AV33の発現頻度が有意に増加していることがわかった。 B. 実験的研究 1)動物内耳にOK432を投与し,内耳の免疫担当細胞の応答を経時的に検討した。その結果,内耳はOK432処置で早期にマクロファージが誘導される器官であることが判明した。無処置動物でも異物侵入に対する即座の反応ができるマクロファージ派鼓室階に存在するがその数は少なく,内耳そのものの局所防御機構は弱いものと思われた。 2)内耳への免疫担当細胞の供給機序の解明として,内耳免疫反応におけるIFN-γ, ICAM-1の分布と経時的変化を免疫組織学的に研究した。また内耳抗原として牛内耳組織を用い,内耳特異的免疫反応惹起の可能性を研究した。 3)内リンパ嚢上皮の障害後の再生能について検討した。 4)動物の蝸牛に蛋白抗原を注入した後,内耳の観察を行った。抗原注入後ラセン靭帯やラセン唇にIgGやalubuminが染色されたことにより,内耳局所の免疫反応の血液-内耳関門に及ぼす影響が示唆された。 5)難聴を自然発症すると報告されているMRL/lprマウスの聴力変化,および内耳の組織学的変化について検討を行うとともに,ステロイド,柴苓湯,ならびに免疫抑制剤投与による聴力および組織学的変化について検討した。
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