研究課題/領域番号 |
07307033
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00014332)
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研究分担者 |
椎名 順朗 鶴見大学, 歯学部, 講師 (70089431)
鈴木 長明 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (80014108)
杉崎 正志 東京慈恵会医科大学, 助教授 (30085873)
須田 英明 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00114760)
田辺 晴康 東京慈恵会医科大学, 教授 (30130181)
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キーワード | 日本語版マギル疼痛質問票 / 歯科疼痛評疾患 / 疼痛表現 / 言語評価 / 疼痛評価 |
研究概要 |
口腔顔面領域の各種疼痛患者の痛みの多元的評価と、「表現用語の自由選択法」によって疾患別に特有の表現用語を選択し、疼痛病態と表現用語の関連性を明らかにすることで病態診断の一助とすることを目的に、本年度は、世界的に用いられている多元的疼痛質問票(McGill Pain Questionnaire)の日本語版(佐藤愛子ら訳:日本語板マギル疼痛質問票)を口腔顔面領域の各種疼痛疾患患者に応用し、共通プロトコールによるデータ集積と各疾患の多元的評価およびその統計分析を行う予定とした。 現在、各支部への共通プロトコールの配布は終了しており、各支部データ集積が行われてきている。日本語板マギル疼痛質問票の基礎的検討では、本質問票は患者の性格には左右されないことが示唆された。疼痛患者の内容は顎関節症、三叉神経痛、義歯由来痛、非定型顔面痛、歯痛、癌性疼痛など多彩である。これまでのデータ分析結果で、三叉神経痛では日本語板マギル疼痛質問票にはない用語が多くの患者によって記載されていた。また顎関節症では女性の方が情動的表現を多く用いており、病悩期間の延長とともに情動的表現が増加していた。非定型顔面痛では選択用語数が増加していたなどの特徴がみられている。しかし、義歯由来痛では義歯をはずしていると無痛となり、また歯痛や炎症性疼痛では冷罨法など患者自身の工夫や努力で無痛化や強度の低下が生じることから、どの時点での評価とするかなど問題点もみられた。 今回の予算執行が平成7年12月と遅く、このためセンターや支部での機器の設置が遅延したことから実際の可動は平成8年1月となってしまった。そのため研究期間が短くデータの集積が遅れている。平成8年度にもデータ集積を行いながら当初の研究目的を達成したいと考えている。
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