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1995 年度 実績報告書

ESRの高度利用を目指した生体関連ラジカルの薬学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07307036
研究種目

総合研究(A)

研究機関京都薬科大学

研究代表者

桜井 弘  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30065916)

研究分担者 木村 行男  武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (70085273)
北 泰行  大阪大学, 薬学部, 教授 (00028862)
菊川 清見  東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90120146)
小沢 俊彦  放射線総合医学研究所, 薬理化学部, 部長 (40160858)
内海 英雄  九州大学, 薬学部, 教授 (20101694)
キーワードX-バンドESR / L-バンドESR / フリーラジカル / 常磁性金属イオン / 薬物動態 / ESRイメージング / BCM-ESR / SOD
研究概要

近年、フリーラジカル、活性酸素、過酸化脂質ラジカルあるいは・NOラジカルなどの生物ラジカルと健康、疾病あるいは老化との関連性が明らかにされつつある。これら常磁性化合物の生成と消去は生理的状態を把握できるのみならず、薬学の領域では医薬品の作用機構の解明や開発研究に不可欠の情報源となりつつある。このような視点に立って、ESRを利用する薬学研究者が集う本研究において、本年度は次のような新しい成果を得た。
1)L-バンドESR法を用いた研究:安定スピンラベル剤を実験動物に投与し、体内より無侵襲でラジカルの動態を解明する方法が開発された。同時に、画像化への方法が可能となった。生体金属タンパク質の構造を水溶液中で解明するため、底分子銅(II)錯体についてL-バンドESRスペクトルを検討し、世界で初めて観測することができた。
2)BCM-X-バンドESR法を用いた研究:ラットの血液を大動脈から取り出し、ESR装置に循環させ再び大静脈に戻す血液循環モニタリング(Blood Circulation Monitoring)ESR法の開発を行った。本BCM-ESR法により、安定スピンラベル剤の血中動態をコンパートモデルを用いて詳細に解析できることを見出した。スピンラベル剤は、血中で循環するのみならず、一部は各組織に取り込まれ、一部は尿中に排泄されることが判った。
3)医薬品・食品:微生物の培養液中にピリミン-鉄錯体を見出し、その銅(II)置換体は現在世界で最も高いスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)様活性をもっていることを明らかにした。日常生活に用いているショウ油、マッシュルームやかつおぶし中には多量のフリーラジカル種が存在し、これらは変異原性やDNA切断活性を持っていることが明らかになった。皮膚細胞への薬物の浸透性を研究する方法としてESRスピンラベル法が有効であることが見出された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Takashi SAWADA: "L-Band ESR Spectra of Copper (II) complexes with CuN_4 Configration" Biochem. Biophys. Res. Commun.216. 154-161 (1995)

  • [文献書誌] Kouichi Fukui: "Detection of Vanadyl-nitrogen Interaction in organs of the Vanadyltreated rat: Electron Spin Echo Envelope modulation Studes" FEBS Letters. 368. 31-35 (1995)

  • [文献書誌] Jun-ichi Ueda: "Detection of Free Radicals produced from Reactions of hipid Hydroperoxide model conysounds with Cu(II) Complexes by ESR" Arch. Biochem. Biophy.325. 65-76 (1996)

  • [文献書誌] Yasuyuki Kita: "Hypervalent Iodine-induced Nucleophilic Substitution of para-Substituted phenol Estens. Generation of Cation Radicals on Reactive Entermediate" J. Am. Chem. Soc.116. 3684-3691 (1994)

  • [文献書誌] 北泰行: "超原子価ヨウ素化合物を用いる有機合成" 生産技術誌. 47. 40-42 (1995)

  • [文献書誌] Kazuyuki Hiramoto: "DNA Base and Deoxyribose modification by the Carbon-centered Radicae Generated from 4-(Hydroxymethyl) benzenediazonium salt" Chem. Res. in Toxicologes. 8. 356-362 (1995)

  • [文献書誌] 桜井弘: "バイオサイエンス ESR" 廣川書店, 274 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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