研究分担者 |
石田 良恵 女子美術大学, 芸術学部, 教授 (10149312)
角田 直也 国士舘大学, 体育学部, 教授 (80119081)
金久 博昭 富山大学, 教育学部, 助教授 (50161188)
阿部 孝 東京都立大学, 理学部, 助教授 (90184217)
深代 千之 東京大学, 教養学部, 助教授 (50181235)
|
研究概要 |
本研究の目的は,加齢に伴う日常生活習慣の変化が身体を構成する組織の量的質的に及ぼす影響を明らかにする事である。 本年度は,超音波法により身体各部の筋の筋線維角度及び筋束長を計測する方法を開発し,骨格筋のアーキテクチュアーを明らかにした。更に,超音波法と水中体重秤量法とを基に内蔵脂肪量を測定する方法を開発し,成人病の危険因子との関係を明らかにした。その結果は以下のようにまとめられた。 (1)超音波断層法を用いて腓腹筋,前頚骨筋,外側広筋,上腕三頭筋の縦断画像をリアルタイムで撮影,コンピューターに記録し,筋線維角度及び筋束長を計測する方法を確立することが出来た。その,信頼性を明らかにするために,ヒト死体を用いて検討した結果,角度は1度以内,筋束長は1mm以内の精度で測定が可能であるとが明らかになった。各年齢群を対象に測定した結果,加齢とともに筋量が減少し,且つ,筋線維角度が低くなる傾向が見られた。特に,高齢で「寝たきり」のヒトの場合には大腿伸筋群の筋厚が少なく且つ筋線維角度が低い傾向を示すことが認められた。 (2)内蔵脂肪を推定する方法として,水中体重秤量法で全身の脂肪量を測定し,超音波法で測定した皮下脂肪量との差から求めた結果,MRI法で直接測定した値と有意に高い相関係数が示され,この方法の妥当性が確かめられた。更に,40歳台の中高年齢者200名について総脂肪量と内蔵脂肪量を測定した結果,両者の間にはr=0.785の有意な相関関係が見られた。
|