研究分担者 |
角田 直也 国士舘大学, 体育学部, 教授 (80119081)
金久 博昭 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50161188)
川上 泰雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60234027)
船渡 和男 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60181442)
深代 千之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50181235)
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研究概要 |
昨年度行なった中高年齢者を対象にした測定結果「農村部在住で農作業従事者の皮下脂肪厚は都会在住者に比較して各部位ともに少ない傾向を示す一方で,筋厚については上肢では農村在住者が高い値を示すが,下肢では都会在住者の方が高い値を示す傾向が見られた」この事は生活環境が身体組成に密接な影響を与えていることを示唆している.そこで本年度は中高年齢者に対する運動の効果を確かめると共に至適な運動プログラムを作成することを目的に研究を行なった. 日常生活を健康的に営むためには,歩行動作や立ち上がり動作等下肢筋群を用いる動作が最も重要になる.更に,日常生活で手軽に何時でも実施できるような運動様式が求められる.そこで,本研究では,スクワット(立ち上がりしゃがみ込み動作,SQ動作),シットアップ(腹筋動作,SU動作)及びプッシュアップ(腕立て伏臥腕屈伸,PU動作)のそれぞれの動作を一日に10〜20回,1週間に3日間の頻度で行なうような運動プログラムを実施した.被験者は健康な高齢者(60〜70歳)約30名であった.6カ月間の運動を行なった.骨密度はDXA法で,筋厚皮下脂肪厚分布は超音波断層法で,膝屈伸筋力はサイベックスによりそれぞれ測定した結果,屈伸展筋力は約20〜60%増加する傾向が見られ,特に,速い速度での筋力の増大が顕著であった.また,筋力の増大と筋厚の増加との間には有意な相関関係が見られ,筋力の増加は筋肥大を伴うものであることが確認された.骨密度は平均役2%の増加が見られたが統計的に有意ではなかった. 以上のことから,SQ,SU,PSのそれぞれの動作様式での運動により筋の形態及び機能ともに改善されることが確認された.
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