研究課題/領域番号 |
07308005
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
高木 彰彦 茨城大学, 人文学部, 助教授 (90197054)
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研究分担者 |
山崎 孝史 山口県立大学, 国際文化学部, 助教授 (10230400)
神谷 浩夫 金沢大学, 文学部, 助教授 (40192546)
水内 俊雄 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (60181880)
東 廉 三重大学, 人文学部, 教授 (80202646)
千葉 立也 明治学院大学, 一般教育部, 教授 (40163737)
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キーワード | 政治地理学 / 地政学 / 選挙 / 地域的公正 / 周辺地域 / 外国人労働者 / 捕鯨 / ナショナリズム |
研究概要 |
本研究は、I.政治地理学の理論と発展、II.政治の地域構造、III.政治の地理的視角、IV.国際関係の政治地理、の4部門に分けて研究を行った。以下に、主な成果のみを記す。 Iでは、福嶋が戦前のゲオポリティークから今日の批判的地政学に至るまで地政学の幅広い展望を行った。また、山崎が冷戦後の国際社会における新ナショナリズムの台頭とそれに伴う帰属意識の固定化についての考察を行い、こうした問題に対する地理学者の意識の重要性を主張している。IIでは、高木が、計量的な手法により衆議院小選挙区の地域区分を行った。同様に高木は、衆議院選挙区のこれまでの変遷を選挙区ごとにたどり、これまでの衆議院選挙区の多くが郡を単位として、その境界が踏襲されてきていることを明らかにしている。IIIでは、まず岡橋が日本を中心として「周辺地域」論の系譜をたどり、その特色を明らかにするとともに、今後の課題を検討した。また、神谷は医療サービスを例として地域的公正に関する研究を行ったし、水内は広島市を事例として、同和地区の住環境改善事業を取り上げ、都市内空間の生産メカニズムの一端を明らかにした。いずれも、欧米における新たな研究動向を踏まえたものであり、公共サービスの地域的公正、都市政治地理という新たな研究領域を切り開くものである。さらに、高橋は長崎市近郊において、アンケート調査に基づいて混住化問題を中心とする地域社会の政治・社会問題を分析した。IVについては、東が、捕鯨をめぐる日英間の文化摩擦を例として、環境問題と国際関係についての検討を行い、千葉が、日本における外国人労働者の居住を支える社会・空間的基盤を明らかにした。 なお、本年度は1996年10月4、5日に岐阜市のグランパレホテルにて研究集会を行い、研究の進捗状況を確認するとともに、意見交換を行った。
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