研究課題/領域番号 |
07308006
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
水内 俊雄 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (60181880)
|
研究分担者 |
久武 哲也 甲南大学, 文学部, 教授 (70108968)
水岡 不二雄 一橋大学, 経済学部, 教授 (30199989)
吉原 直樹 東北大学, 文学部, 教授 (40240345)
野澤 秀樹 九州大学, 文学部, 教授 (00036998)
竹内 啓一 駒沢大学, 文学部, 教授 (00017617)
|
キーワード | 地理思想 / 社会理論 / 景観 / 風景 / 場所 / 空間 / 文化地理学 / 社会地理学 |
研究概要 |
本年度は1回の全体研究集会と、2回のサブグループ研究集会を行なった。サブグループの研究集会では、空間、場所、風景、景観などの地理学的諸概念、地理思想にこめられた研究の着想をとりあげ、経験的事例をもとに地理的現実を読む試みを行なった。またモダニズムと空間性、領域性の問題、空間の生産のイデオロギー、ポストモダンの議論と関わる空間の消費の問題等、これらに関連する欧米地理学の最先端の論議の紹介を含め、分担者自らの経験的研究の提示を行なった。全体の研究集会では、サブグループが提起した諸論点につき、特に、国土空間の生産、都市景観の形成、ポストモダニティと消費の空間の研究、名勝の成立などに関して地理学的なテーマとしてどのようにフレームアップできるかの論議を行なった。また地理思想研究の学界動向の紹介や、地政学の思想、政治経済学派の経済社会地理学の現状などが報告された。 こうした蓄積を踏まえ、当初予定していた、地理学のアップトゥデータの議論の紹介という速報性と、経験的研究の提示という趣旨で企画していたニューズレターを、雑誌「空間・社会・地理思想」と題することにして、その1号を刊行した。そこでは、地理思想研究の世界的概観、日本地政学の批判的検討と社会的なレレバンシーの問題、経済地理学の理論的課題、国土空間生産のイデオロギーが考察され、あわせていくつかの良質な外国語の論文の翻訳も掲載した。 また、日本地理学会の作業グループの企画で、この科研メンバーが関わっている翻訳計画も、出版費を当てる形で、『社会-空間研究の地平:人文地理学のネオ古典を読む』と題して活字化出版し、1980年代初頭までの空間-社会理論研究の代表的論文を邦訳した。隣接諸科学を含め、活発な議論を巻き起こす役目をこの雑誌、及び翻訳書の刊行に期待されていよう。
|