研究分担者 |
山崎 晴雄 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70260784)
今泉 俊文 山梨大学, 教育学部, 教授 (50117694)
千田 昇 大分大学, 教育学部, 教授 (90111236)
東郷 正美 法政大学, 社会学部, 教授 (70061231)
岡田 篤正 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90086174)
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研究概要 |
平成7年度は,北海道・東北日本・中部地方・近畿地方の主要な逆断層帯と,中部九州の正断層帯について調査を実施し,以下に示すような新知見が得られた。 中部日本の糸魚川静岡構造線の北部,諏訪-松本間は,従来横ずれが卓越すると考えられてきたが,本研究による精密調査の結果,かなりの水平短縮(逆断層)成分があることが分かりつつある。また,松本以北では,従来明らかでなかった完新世の動きを直接証拠付ける変位地形が発見された。ここでは,第四紀になって逆断層の変形フロントが前方(西方)にジャンプしていることも明らかになった。また,北海道の石狩低地帯西縁断層帯の精密調査の結果,この断層帯の主要な動きが大規模な伏在断層による東傾斜の逆断層運動である可能性が高くなった。石狩低地帯西縁断層帯を北方に追跡すると,天塩山地西縁に延びることがわかった。ここでの主要な動きも大規模な伏在断層による橈曲変形である可能性が高い。これらの逆断層帯については,次年度以降の調査で変位速度の決定を試みる予定である。 本年度は,当初の計画どうり大縮尺空中写真を用いてマッピング調査を実施したが,従来の中小縮尺空中写真の判読とは質的に異なる成果が得られることを確認することが出来た。また,逆断層帯の判読については,従来のように地表断層のみに注目してマッピングする方法では,堆積層下に伏在する主断層を見逃して,二次的な断層のみを抽出する恐れがあることも分かった。今後は,第四紀の地表変形明らかにし野外調査を行って時代決定を行うとともに,地下構造データを取得して断層のgeometryを求め,これらのデータに基づいて断層の総変位速度を決定することが必要である。
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