研究分担者 |
木原 俊行 岡山大学, 教育学部, 講師 (40231287)
南部 昌敏 上越教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (90143627)
小町 真之 放送教育開発センター, 教授 (20178354)
中野 照海 国際基督教大学, 教育学部, 教授 (70052230)
水越 敏行 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20019409)
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研究概要 |
本年度は1)素材映像「裸の島」について,映像の伏線の構成,時の構成,時代の構成,労働・食・生活の構成,人物の構成,全体テーマの構成を詳細に分析しその特徴を明らかにした。次いでこれらの構成要素の特徴を考慮しつつ,2)調査用映像への編集により素材映像を48分に編集した。映像視聴能力の調査のため,3)映像視聴能力測定尺度を「映画の印象場面の程度」「物語の再生」「場面の読みとり」「場面の理解」「物語の先読み」「主題の把握」でもって構成し,4)映像視聴能力の調査を小学生,中学生,大学生を対象に実施・分析した。 その結果,1)映像視聴能力の構成要素間には関連が無く各要素は独立していることが推定された。2)また映像視聴能力は,小学生,中学生大学生と顕著な発達差が確認された。とりわけ,小学生とそれ以上の学年には大きな変化が認められ,メディア行動の転換期と映像視聴能力の関係に貴重な示唆を得た。視聴能力をトータルとして把握すると,こうした発達差が顕著であるが,状況把握や感情移入,場面把握,技法理解については,逆相関の関係も一部認められた。このことから,映像教育やメディア教育のカリキュラム開発においては,小学校・中学校とか,小学校の低・中・高学年という発達の区分がカリキュラム構成上検討すべき点が指摘される。
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