研究分担者 |
木原 俊行 岡山大学, 教育学部, 講師 (40231287)
南部 昌敏 上越教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (90143627)
小町 真之 放送教育開発センター, 教授 (20178354)
中野 照海 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (70052230)
水越 敏行 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20019409)
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研究概要 |
平成8年度である本年度は日本賞候補番組NHK制作の「動物のたんじょう」を取りあげて,小学校3年生,5年生,6年生,中学校2年生を対象に視聴能力を調査した。映像視聴能力を、既有の知識との関係、番組の再認再生,映像技法の理解,番組主題の把握,といった下位のバッテリ-に分けて検討した。その結果,映像視聴能力トタールとしては,小学校3年生と小学校5年生、小学校6年生、中学2年生の間にそれぞれ統計的な有意差が見られた。したがって,映像視聴能力は、少なくともこのデータからは小学校3年生と5年生以上に大きな発達差があることを認めることが出来た。 下位項目でも,主題把握,再認・再生,映像技法など主要な要素において学年による発達差を確認することが出来た。とりわけ,映像視聴能力では困難とされる「映像技法」の理解において,学年による差が見られたことは,前年度の「裸の島」を素材とする研究では明白でなかったことから,有意義な成果といえる。 また,映像視聴能力に関わる要素として,映像情報に対する批判的視聴能力の重要さが指摘されている。この批判的視聴能力については,発達よりも,映像情報に関わる学習者の知識がそれに影響することが今回の調査で明らかになった。つまり,視聴した映像番組からの学習事項と,番組内容に関わる経験との関係において,関連する経験が豊かである学習者はそれが少ない者に比べて批判的視聴能力が高いことが判明した。
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