研究分担者 |
山下 裕介 弘前大学, 人文学部, 助手 (90253369)
田中 重好 弘前大学, 人文学部, 教授 (50155131)
能島 暢呂 広島工業大学, 工学部, 講師 (20222200)
亀田 弘行 京都大学, 防災研究所, 教授 (80025949)
河田 恵昭 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027295)
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研究概要 |
災害復旧に従事する防災機関にはロジスティクス・マネージメントの考え方が不可欠である。ロジスティクスとは軍隊における兵站が原義であり、後方において作戦遂行上必要な資器材の前送・補給・修理・後方連絡線の確保などを行うことを指す。わが国の旧帝国陸軍がもっとも不得意としていたこの分野は、わが国の災害復旧においても考慮されていない。そこで本研究では社会科学者と工学者が共同して、阪神・淡路大震災からの復旧過程におけるロジテイクス・マネージメントの実態を把握し、以下の問題点を明らかにした。 1.阪神・淡路大地震の教訓として,災害対応を緊急対策,応急対策,復旧・復興対策という相互に独立し,異なる目標を持つ3種類の対策の組み合わせとして考えることが可能である.しかも,この3種類の対策はすべて災害発生直後から同時に,別々の担当グループによって実施されることが望ましい.さらに,こうした対策がタイムリ-にしかも効率よく実施さるためには,情報と資源の流れをコントロールする後方支援のための組織の存在が必要である.したがって,危機管理の観点から災害対応を考えると,これら4種類の集団間でのニーズと資源の相互調整過程として災害対応をすすめることが重要である. 2.ロジスティクス-災害対策の後方支援 緊急対策,応急対策,復旧・復興対策との各対策をタイムリ-にしかも効率よく実施するためには,情報と資源の流れをコントロールする後方支援のための組織の存在が必要である.そこでは,(1)幹線道路網の啓開や通信網の整備など災害復旧のための基盤の整備に関する対策,(2)支援物資等の調達と配給,(3)生活関連情報の提供と広報,(4)被害調査,(5)援助申請などを一元的に所管することが重要である.
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