研究分担者 |
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00183385)
今泉 俊文 山梨大学, 教育学部, 教授 (50117694)
千田 昇 大分大学, 教育学部, 教授 (90111236)
東郷 正美 法政大学, 社会学部, 教授 (70061231)
岡田 篤正 京都大学大学院, 理学研究科, 教授 (90086174)
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研究概要 |
平成9年度は,主としてミニトレンチ調査や地層抜き取り装置(Geo-slicer)を用いた活動履歴の解明を中心に調査研究を進め,内陸活断層の地層危険度評価に関する研究のとりまとめを行った. 1.本研究グループが中心となって実施している活断層詳細図の作成については,中央構造線活断層系西部,糸静線活断層系南部及び金沢市周辺地域の大縮尺空中写真判読を行い,活断層の位置とその性状を詳細に示す1:25000スケールの断層分布図を作成した.なお,その成果は都市圏活断層図として国土地理院から刊行予定である. 2.地震災害に密接な関連を持つ断層破壊伝播の方向や破壊開始点を推定するため,活断層の分岐形状との関連を解明した.また,地震規模の推定に不可欠の活断層のセグメンテーションを,横ずれ断層の縦ずれ変位成分の分布パターンから推定する新たな手法を検討した. 3.前年度に開発した地層抜き取り装置(Geo-slicer)を発展させたものとして,長尺矢板を利用した軟弱地盤用の定方位連続地層採取装置(Long Geo-slicer)を開発した. 4.逆断層の浅部地下構造を明らかにするために,糸魚川-静岡線北部の長野県白馬村神城地域の活断層を対象に,定方位連続地層採取装置を使って幅20m深さ12m厚さ20cmの連続断面を抜き取り,断層変位構造を解明するとともに断層の平均変位速度を推定した. 5.中央構造線活断層系の地震危険度を評価するため,ミニトレンチやGeo-slicerを用いて断層の掘削調査を伊予市市場,新居浜市萩の下,鳴門市段関などで実施し,最新活動期を検討した,また,上記3の手法に基づいて新たなセグメンテーションを設定し,この活断層系の大地震空白域を推定した.
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