研究課題/領域番号 |
07308041
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
早津 彦哉 岡山大学, 薬学部, 教授 (10012593)
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研究分担者 |
堀川 和美 福岡県保健環境研究所, 保健科学部, 専門研究員
野上 祐作 岡山理科大学, 理学部, 教授 (00172768)
中室 克彦 摂南大学, 薬学部, 教授 (30172464)
吉良 尚平 岡山大学, 医学部, 講師 (50033212)
内海 英雄 九州大学, 薬学部, 教授 (20101694)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 変異原吸着剤 / ブルーキチンカラム濃縮法 / 時間荷重平均 / 水域発がん物質 / 公共用水域 / 健康影響 / 生物学的環境モニタリング / 環境汚染 |
研究概要 |
1.ブルーキチンカラムによる水中変異原物質濃縮法の検討を行ない、標準法を確立した。すなわち、京都府桂川及び岡山市旭川の河川水を試料として最適条件を求めた。その結果2本カラムを直列につなぎ、5リットルの水試料を10-20ml/minの速度で通過した後、メタノール・アンモニア(50:1)150mlで溶出すると、多環性変異原物質が高能率で集められることがわかった。この方法と、従来よく用いられているXAD-2樹脂カラム濃縮法とを、桂川からの2つの試料について比較したところ、ブルーキチンカラム法が約2倍の変異原活性を与えた(早津、阪本)。また同様の比較を淀川流域について行なったところ、ブルーキチンカラムが最も効率がよいことがわかった(中室)。 2.ブルーレ-ヨン懸垂法では、懸垂時の河川水の流量を同時に測定できることが望ましい。このための新しい方法として、懸垂した石膏球の減少量を測定することにより流量推定を行うことを試み、良好な結果を得た(野上、吉良)。 水中の遺伝毒物検出するための一つの方法として培養細胞の小核試験法の開発を試みた。モデル毒性物質として2,4,6-トリクロフェノールを用い、陽性のレスポンスを得た。(内海)。 湖沼5ケ所につき、ブルーレ-ヨン法で変異原性を検出した。同時にCODなど従来用いられる環境化学指標を測定した。その結果、従来の環境基準では何ら問題はないのにかかわらず、変異原性が存在することがわかった(堀川)。 以上、本研究により、環境水中の変異原物質の定量法が一応確立されたと結論できる。今後、この方法を用いて多くの河川、湖沼などについて調査を行い、環境水域の変異原物質の存在場所、増減、原因などを追求していく予定である。
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