研究課題/領域番号 |
07308042
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
名越 誠 奈良女子大学, 理学部, 教授 (40024822)
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研究分担者 |
高田 壮規 北海道東海大学, 国際分化, 助教授 (80206755)
中野 繁 北海道大学, 農学部, 助手 (50217791)
西田 睦 福井県立大学, 生物資源学部, 助教授 (90136896)
前川 光司 北海道大学, 農学部, 助教授 (80002301)
後藤 晃 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30111165)
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キーワード | サケ科魚類 / 局所個体群 / レトロポゾン / 遺伝的変異性 / 地球温暖化 / 水温の歴史的変化 / 水温の歴史的変化 |
研究概要 |
サケ科魚類(サケ属、イワナ属、アユ)における局所個体群の生物学的特性(個体群変動・繁殖特性や遺伝的特性)を明らかにし、地球規模および地域レベルで生じる環境変化に伴う絶滅機構を解明する研究を行い、次のような結果を得た。(1)分布最南端におけるイワナ個体群(キリクチ)の季節的・年間変動を明らかにするために個体数推定、産卵生態およびアマゴとの種間関係を調査した。(2)滝と堰堤上流部に生息するアメマスおよびオショロコマ河川型集団のmtDNAの分析を行い、この個体群の遺伝的変異性が著しく低下していたことを明らかにした。また地球温暖化における両種の生息空間の細分化と地域個体群の絶滅を予測した。この結果、4度の上昇で両種の分布域は著しく縮小すると予測された。(3)日本西南部に生息するアユの遺伝的特徴を明らかにするために本州-九州の個体群のmtDNAの塩基配列を決定した。(4)サケおよびイワナ属魚類においてゲノム中で増幅しているレトロポゾンを分析し、種特異的に増幅したレトロポゾンを幾つか単離し、集団解析に使用できるかどうかを検討した。(5)河川における水温の歴史的変化を明らかにするために、最終氷期における気温低下量、花粉化石、氷河作用などを用いて約2万年前の最寒冷期について、これまでの資料を収集、推定を行った。(6)環境変動によって引き起こされる成熟サイズの変化を予測するために、淡水魚の最適成熟サイズを生存率・成長率・繁殖率から推定する数理モデルを作成し、コンピュウタ-シミュレーションによる数値計算をおこなった。(7)全体の進行状況と個々の研究の総合化のための討論を深めた。
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