研究課題
ヒト高血圧症にレニン/アンギオテンシン(R/A)系が関与することは従来の研究において証明されている。我々は、R/A系と高血圧症発症の関係を解析するため、ヒトと同様の機序で高血圧を起こすモデル動物を開発することを試み、レニンおよびアンギオテンシノーゲン(レニン基質)DNAをそれぞれ導入した遺伝子導入動物(Tg動物)を作出している。本研究は、これらTg動物の系統化、遺伝的・微生物的統御並びに計画生産システムの確立等の実験動物学的検討、ヒトの臨床での病態との比較検討、各種薬物の降圧効果及び病態への影響を、総合的に検討し「真」の高血圧モデル動物として確立し、高血圧症の治療法、治療薬の開発研究に実用化することを目的とする。平成8年度、ヒト・レニン/アンギオテンシノーゲン遺伝子導入マウス(つくばマウス)については、微生物クリーニングを行い、系統毎にビニールアイソレータ内で維持・繁殖し、生産は大型ビニールアイソレータ内でヒト・レニンマウスとヒト・アンギオテンシノーゲンマウスの交配により行い、研究班に配布を開始した。ヒト・レニン/アンギオテンシノーゲン遺伝子導入ラットについては、系統化を試みたが、繁殖性が低く、再度新たなラインの育成を開始した。また、高血圧症に深く関連するとされている、副腎皮質ホルモンについて検討し、ヒト17aヒドロキシラーゼ(P45017a)遺伝子を導入したTgマウスを作製し、高血圧症マウスモデルの作出を試みた。
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