研究課題/領域番号 |
07308063
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
堀口 進 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (60143012)
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研究分担者 |
阿部 亨 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (80222652)
ハミド イサム 東北芸術工科大学, 助教授 (30244990)
安倍 正人 東北大学, 大型計算機センター, 助教授 (00159443)
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
丹野 州宣 山形大学, 工学部, 教授 (40007018)
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キーワード | 超並列コンピュータ / 高速シミュレーション / ビジュアル化 / 並列計算機シミュレーション |
研究概要 |
最先端科学技術分野でのコンピュータシミュレーションは、膨大なメモリ空間とCPU時間が必要であり、従来のスーパーコンピュータに代わって超並列コンピュータでのシミュレーション開発が切に望まれている。本研究の目的は、計算機科学、画像処理、計算物理、ソフトウェア工学の研究者が超並列コンピュータ上でのシミュレーション技術の開発と膨大なデータの可視化(ビジュアル化)技術に関して総合的に研究を行うことである。具体的には、基礎物理・化学分野でシミュレーション手法の一つである分子動力学法による物質の解析を行った。分子動力学法とは、物質を構成する分子一つ一つの運動を計算し、物質の状態を解析する手法である。本来物質はアボガドロ数6.02×10^<23>個の分子の集まりであり、超並列コンピュータの巨大なメモリ空間とCPU時間が必要である。本研究では、64台のプロセッサからなる並列計算機CM‐5上で並列シミュレーションを行い、分子の状態についてビジュアル化を行った。その結果、超並列コンピュータ上での並列シミュレーションには、多数のプロセッサ間の負荷分散が高速シミュレーションに必要である事を明かにした。また、溶液中での高分子化合物の形態を扱う統計物理学の星型ポリマー成長模型のシミュレーションを並列計算機CM‐5上で行った。その結果、従来の計算機では実現不可能であった、多数の配位を並行に発生させて追跡していく統計物理学のシミュレーションが疎結合ベクトル型の超並列計算機によって効率良く実行できる事を示した。しかし、3次元構造の高分子化合物の成長形態を扱うには、巨大なメモリ空間と計算機パワーが必要である。引き続き、本研究の超並列シミュレーションお技法を基礎物理、物性科学、神経回路網、画像認識へ拡張し、膨大なデータを可視化する手法について総合的に検討しなければならない。
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