研究概要 |
1年目は時間的制約が大きかったため,研究計画全体にわたって広く資料収集することと,地理情報システム(GIS)を稼動させるための基礎調整期間とすることになった. 景観の基本構造となっているエコトープに関する整理・総括(池上・中越,1995),農村地域の景観生態学的研究(Nakagoshi, 1995)、湿原の生態系の景観生態学的解析(Nakagoshi&Abe, 1995),山村地域の景観生態学的解析(鎌田・曽宮,1995),天然林の構造と更新に関する景観生態学的解析(紙谷ら,1995),GISを利用して流域管理を行うための基礎的研究方法の開発とその応用(坂本ら,1995)河川の景観生態学的調査研究(中村,1995)等を行い,広く本研究を展開するための基礎資料を全国各地で様々な景観域から収集した. また,景観概念を厳密に定義すると同様に,その構造的,機能的特性や成立過程について現段階での知識を総括し,著書として出版した(中越,1995).この著書の中では自然景観,文化景観(農村景観,都市景観)などの本研究に直接関係する部分と,それを発展させた経済的,社会的な景観の意味付けを行い,今後の方向性も示した. 広島大学においてGISを稼動させるため,サンワークステーションとGISのソフトではARC/INFOが海外発注となり,3月上旬に設置が完了したため,前述の研究成果を入力することで精一杯であった.標準化に関しては,これから資料を加工する必要があり,1年目の成果としては,互換性のある資料の入力ができたことしか挙げられない.国内に在庫がなかったことが,この原因であり大変残念であった.
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