研究課題
基盤研究(A)
上記研究課題のもと、3年間にわたって研究活動を実施した。3年間の具体的なテーマは、平成7年度「「ローカル・ノリッジ」の共時的比較分析」、平成8年度「「ローカル・ノリッジ」の通時的比較分析」、平成9年度「「ローカル・ノリッジ」の形成過程と教育制度」であり、この3年間の研究のなかで、混在するさまざまな人間集団をまとめあげ、歴史体としての地中海世界を成立させた、ローカル・ノリッジとしての観念体系としてどのようなものがあるのか、そしてそれらがどのような歴史環境と政治・経済・社会・文化状況、とりわけ教育システムのなかで成立したのか、を明らかにすることができた。研究活動は、ほぼ月1回、一橋大学において開かれた定例研究会の積み重ねによってなされた。その間、カイロ・アメリカン大学のシンシア・ネルソン教授、プリンストン大学のマーク・コ-ヘン教授に研究会にて、本研究に関する成果のレヴュ-を受けるなど、日本人、外国人を問わず、多くの研究者との意見交換にも努めた。3年間の研究成果は、研究代表者、研究分担者各自の研究活動において生かされたほか、これまでのわれわれの研究会の成果報告がそうであったように、欧文雑誌Mediterranean World XV(一橋大学地中海研究会編『地中海世界』15号)としてまとめられた。そこでは、研究代表者、研究分担者の研究成果が、英語、仏語、イタリア語、スペイン語による10本の論文として公表されている。この雑誌(500部)は、日本内外の研究機関、研究者に送付し、忌憚ない批判を仰ぐつもりである。
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