研究課題/領域番号 |
07309008
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
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研究分担者 |
河村 明 九州大学, 工学部, 助教授 (10177735)
中北 英一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70183506)
宝 馨 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80144327)
小尻 利治 岐阜大学, 工学部, 教授 (00026353)
岡田 憲夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (00026296)
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キーワード | 平成6年渇水 / 長期気象予測 / 渇水持続曲線 / 渇水調整 / 節水意識 / リスクマネジメント / アンケート調査 / 総合的渇水対策 |
研究概要 |
平成6年度渇水に関連した情報・データを収集整理するとともに、渇水の気象・水文学上の災害素因のメカニズムの解明とその異常性検証をはかった。さらに、被害を防止・軽減するための行政主体の調整・対応策や渇水時の水使用構造などをアンケート調査結果等を活用して分析するとともに、渇水に対する社会的関心の活性水準と節水行動間の関係モデルなどを導いた。主な成果は以下の通りである。 1.渇水の第一素因である少雨特性を予測する目的で、気圧分布の空間的パターン分類を基に、ファジイ推論によって基準地点の降水量を予測する方法論を展開した。さらに北半球全域での異常年の海面水温と500hPa高度面の関係に着目することにより予測精度の向上が期待されることを見い出した。 2.平成6年渇水時の降雨・流出変換モデルを他の年と比較した結果、いくつかの流域でモデルパラメータが異なる可能性が見い出され、異常年におけるダム流入量予測の課題を浮き彫りにした。 3.全国46地点の降水量データに基づく渇水持続曲線の分析から平成6年渇水の時・空間分析とその統計的評価を行うとともに全国マップ図を作成し、異常性の視覚分析を容易にした。 4.国土庁アンケート調査結果に基づいて平成6年渇水における給水制限状況の分析を行い、総じて給水制限率の小さな目標値では減圧給水が、大きな目標値では時間給水が採用される傾向にあること、給水時間を短くしても実績給水制限率は45%程度で頭打ちとなることなどを見い出した。 5.平常時と渇水時における家庭内サービスの水使用状況及び生活時間帯の推移状況をアンケート調査を実施して分析、渇水が家計の水消費構造に及ぼす影響は種々のサービスの開始時刻のシフトや消費回数の減少、投入時間の長短などの形で現われることを明らかにした。 6.平成6年の高松・福岡、昭和53年の福岡の渇水事例について渇水関連記事面積の推移を分析し、渇水に対する社会的関心の活性度の指標化とその変動過程に関するモデルを流出タンクモデルとの類似仮説のもとで構築し、渇水問題の風化プロセスをふまえた啓蒙・教育・広報の在り方を提言した。
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