研究分担者 |
鹿島 薫 九州大学, 理学部, 助教授 (90192533)
池谷 仙之 静岡大学, 理学部, 教授 (50022223)
福澤 仁之 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80208933)
貞方 昇 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 教授 (20116594)
國井 秀伸 島根大学, 汽水域研究センター, 助教授 (70161651)
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研究概要 |
総研初年度にあたる平成7年度は,まず,海跡湖に関する既存の資料を地域別,分野別に各共同研究者で分担を決め,収集することから始めた.これらの資料を持ち寄り,9月30日に札幌にて研究集会を開催した.この研究集会には関連する研究者も含め23名が参加し,海跡湖あるいは汽水湖の研究に関する最近の動向について活発な討論が行われた.また,既存の資料については,データベースを作成することとし,作業にとりかかった. 札幌集会に引き続いて,サロマ湖および網走湖の調査を行った.サロマ湖では底質表層試料を55地点,柱状試料を3地点,網走湖では底質表層試料を26地点,柱状試料を2地点で採取した.各試料は現地で各分担者の研究目的に応じて分割された.分析は現在も進行中であるが,現在までのおもな成果は以下の通りである. 1.サロマ湖および網走湖において全域にわたる底質表層の含砂率,全有機炭素量,全窒素量など分布図を作成した. 2.サロマ湖および網走湖において塩分,水温,溶存酸素,pHなどの基礎的な水質項目について水塊の3次元的な分布を明らかにした. 3.サロマ湖の柱状試料について珪藻分析を行った結果,砂州の開削による海水導入の効果が水質に明瞭に現れていることが明らかになった. 4.網走湖の柱状試料では季節的な環境変化を示すと思われるリズミカルな葉理が確認され、しかもアトサヌプリ(1663年)および駒ヶ岳(1700年)のテフラが狭在していることが分かったので,今後これを解析することにより年単位の詳細な環境変化が追跡できるとの見通しを得た.
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