研究分担者 |
鹿島 薫 九州大学, 理学部, 助教授 (90192533)
池谷 仙之 静岡大学, 理学部, 教授 (50022223)
福澤 仁之 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80208933)
貞方 昇 北海道教育大学, 教育学部函館校, 教授 (20116594)
國井 秀伸 島根大学, 汽水域研究センター, 助教授 (70161651)
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研究概要 |
本研究の初2年度目にあたる平成8年度は,まづ,平成7年度に共同で調査した北海道サロマ湖,および網走湖の試料分析を中心に作業が進められた.さらに,新潟県佐渡加茂湖や島根県中海,宍道湖その他各地で代表者および分担者による現地調査が行われた.それらの成果は10月4日に静岡県舞阪町で行われた本研究グループ主催の研究集会において発表され,討議された.この研究集会には関連する研究者も含め30名が参加した.また,平成7年度から引き続いて汽水域,海跡湖関連の既存の資料をデータベース化する作業は,平成9年3月現在で4555件の文献・資料を入力した.なお,代表者は平成8年8月に北京で開かれたIGC(万国地質学会議)に出席し,中国等の関連研究者と汽水湖,海跡湖に関して研究交流を行った. 舞阪町で行われた研究集会に引き続いて,浜名湖の共同調査を行った.浜名湖では底質表層試料を45地点,柱状試料を3地点で採取した.各試料は現地で各分担者の研究目的に応じて分割された.分析は現在も進行中であるが,現在までのおもな成果は以下の通りである. 1.浜名湖において全域にわたる底質表層の含砂率,全有機炭素量,全窒素量など分布図を作成した. 2.浜名湖において塩分,水温,溶存酸素,pHなどの基礎的な水質項目について水塊の3次元的な分布を明らかにした. 3.浜名湖の柱状試料について珪藻分析を行った結果,1498年の地震による今切口開口のイベントが塩分変化として明瞭に現れていることがわかった. 4.浜名湖の柱状試料において明瞭なラミナを持つ層とバイオタ-ベーションが顕著な層とが互層をなしており,これらがC/N比,C/S比の変化と対応して還元的環境の繰り返しを示していることが明らかになった.
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