研究課題/領域番号 |
07309016
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
陶野 郁雄 国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 室長 (00016479)
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研究分担者 |
鈴木 正章 道都大学, 短期大学部, 助教授 (30226550)
安原 一哉 茨城大学, 工学部, 教授 (20069826)
遠藤 邦彦 日本大学, 文理学部, 教授 (70059781)
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キーワード | 液状化 / 砂層 / 堆積構造 / 強度特性 / 地形解析 / 粒度組成 / 開削調査 / 土質試験 |
研究概要 |
液状化によって引き起こされる一次的な堆積構造の変化や乱れ具合を地質学的・地盤工学的に検討するため、1993年北海道南西沖地震および1995年兵庫県南部地震により液状化が発生した地域を対象として調査・分析を行った。(1)北海道南西沖地震の際、顕著な液状化災害が発生した後志利別川低地において、表層の砂層から試料を採取して粒度試験を行った。後志利別川は震源から遠くなるほど上流になるため、河川砂は粗くなる傾向にあるが、液状化砂は細かくなる傾向にあり、逆相関関係があることが分かった。また、この低地を構成する沖積層についてその形成過程と形成環境について検討した。(2)兵庫県南部地震で液状化したところを再調査した結果、徳島県鳴門市、兵庫県明石市、大阪市、大阪府貝塚市に囲まれた範囲で液状化したことが分かり、詳細な液状化地図を作成した。さらに、神戸市灘区において開削調査を実施した。トレンチ断面に現れた砂脈を詳細に観察し、砂脈と液状化層から試料を採取し、液状化層、砂脈、亀裂内堆積物、噴砂の示す特徴とその生成過程を検討した。液状化層は埋立てマサ土である花崗岩ブロック間のマトリックス部にあり、液状化が発生し砂脈を通じて上昇する過程で分級作用が生じて、細礫〜粗砂を主体とする粗粒部、中砂〜細砂を主体とする中粒部、シルト〜粘土を主体とする細粒部がそれぞれ混在して砂脈内を充填していた。 堆積構造の変化を室内三軸試験機内で再現した後、繰り返し三軸試験を行って、液状化強度に及ぼす影響について調べた結果、次のような知見が得られた。(1)自然堆積地盤を想定した水中落下によって作成された供試体は盛土のような締め固めによって作成された供試体よりも液状化強度は大きいが、再液状化しやすいことが分かった。(2)しかし、繰り返し強度比で表すと、堆積構造や細粒分含有量によらないユニークな強度曲線が得られた。
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