研究課題/領域番号 |
07309016
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
陶野 郁雄 国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 室長 (00016479)
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研究分担者 |
鈴木 正章 道都大学, 短期大学部, 助教授 (30226550)
安原 一哉 茨城大学, 工学部, 教授 (20069826)
遠藤 邦彦 日本大学, 文理学部, 教授 (70059781)
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キーワード | 液状化 / 砂層 / 堆積構造 / 強度特性 / 地形解析 / 粒度特性 / 密度特性 / 開削調査 |
研究概要 |
液状化によって引き起こされる一次的な堆積構造の変化や乱れ具合を地質学的・地盤工学的に検討するため、豊田橋上流約1.2km付近の左岸堤外地で再び調査を行った。 (1)砂脈及び液状化砂層の密度試験を深度80〜295cmまでの8つの水平断面で、堆積構造調査を垂直断面で実施した。砂脈は約250cmの深さまで認められた。その下位は礫分を50%程度含む砂礫層であり、この層で液状化が生じていた。砂脈の深度約80cmのところにシルトの薄層があり、液状化した水の沈殿物のようであった。その下の砂脈を充填している液状化砂はシルト質砂からなっており、深くなるに従って次第に平均粒径が大きくなり、分級していた。堆積時に形成された1次的構造は、液状化の発生・砂脈の形成と共に、周囲から砂脈基部へ、砂脈基部から砂脈上部へと向かう流れに対応して礫が再配列したものと考えた。下部は主として礫からなっており、偏平な礫粒子が立っていた。砂脈内を上昇する砂礫と水の流れは、45mmより細粒な粒子を運び上げることができたが、45mmより粗粒な粒子を運び上げるには充分な条件をそなえていなかったことを示唆していた。 (2)砂質土の液状化後挙動(強度・変形・体積変化)に及ぼす堆積構造の影響を調べるため、非塑性のシルトに対して室内繰返し三軸試験を行った。その結果、繰返し載荷中に生じた過剰間隙水圧比に伴う強度比の変化には供試体の初期構造の差異はあまりみられないようであり、急激な剛性の低下により液状化後には大変形が生じると考えられ、液状化後の体積変化は供試体の初期堆積構造に影響を受けることを意味していた。 以上のような、地震直後からの液状化災害調査、過去3年間にわたる地形解析、液状化砂層と砂脈の開削調査結果、室内土質試験結果を踏まえて解析したものを研究成果報告書として纏めた。
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