研究課題/領域番号 |
07309021
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
磯 祐介 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70203065)
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研究分担者 |
西田 孝明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70026110)
亀高 sui 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00047218)
久保 雅義 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (10273616)
木村 正人 広島大学, 理学部, 講師 (70263358)
大西 和栄 茨城大学, 理学部, 教授 (20078554)
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キーワード | 非適切問題(ill-posed problems) / 適切問題(well-posed problems) / 断層撮影法 / システムの制御問題 / 非適切問題の適切クラス / 逆問題解析 / 逆問題の数値計算 / 条件安定評価 |
研究概要 |
"非適切問題(ill-posed problems)"はHadamardの意味での"適切問題(well-posed problems)"の反対概念として定義され、永い間積極的な意味を持つ問題としては取り扱われていなかった。しかし近年の科学・技術の進歩により、物理的に意味のある問題として非適切問題が脚光を浴びるに至っている。即ち、技術改革の中にあって、様々な断層撮影法及びシステムの制御問題の研究が工学・物理学・医学において研究されるようになったが、これらの問題の多くはHadamardの意味で非適切であり、積極的な意味を持つ問題として非適切問題が取り上げられるに至っている。このような状況下で、逆問題を中心とする非適切問題に対する数値解析理論を整備することが本研究の本年度の目的であった。 代表者が提唱する"非適切問題の適切クラス"を中心に、平成7,8年度の研究を継続した形で研究を行った。工学、分けても材料系の分野における逆問題解析では、取り扱う材料に関する先験的工学情報を援用することによって逆問題の数値計算に成功する例が多い。即ち、数学的には非適切であるものの、工学的に意味を持つ範囲に制限することによって問題を適切化し、数値計算の成功を得ている。これらの例は"非適切問題の適切クラス"あるいは"条件安定評価"と密接に関わるものと思われる。このような例は各々の非適切問題に固有にあるものと思われるので、この点を中心に研究を進めた。 具体的には、平成9年度は次のようなグループにて上記の研究目的の達成を図った。(1)研究組織の運営:磯、山本、大西、登坂(2)非適切問題の適切クラスの数学的研究:亀高、西田、磯、山本、久保(雅)(3)非適切問題の数値計算アリゴリズムの研究:磯、大西、森、木村、久保(司)、登坂(4):弾性体逆問題における適切クラスの研究:三好、田沼、久保(雅)(5):欠陥同定問題における適切クラスの研究:青木、久保(司)、田中、西村 上記の研究組織に加え、日本に滞在中のロシア科学アカデミーのA.Boukhgueim教授を研究協力者として迎え、Carleman評価の逆問題への応用についての専門知識の提供を受け、この分野において有益な討論が行えた。
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