アポトーシスとは、高度な制御機構をもち、壊死とは異なる能動的な細胞死過程である。発生過程での組織形成、生体の恒常性維持、老化などの生理的機能のみならず、ウイルス感染、発癌、免疫疾患などの病態にも関わり、生命維持に多岐にわたる機能を果たしている。 このアポトーシスの統一的かつ総合的解明をはかるためには、広い分野の研究者による共同研究体制の緊急な整備が必要である。世界的にみて、すでに総合研究の体制でのアポトーシス研究が爆発的ともいえる勢いで進んでいる。本邦のアポトーシス研究は、高水準にあるが、このような情勢から、是非とも重点領域研究での総合研究を目指して、緊急に体制を整備する必要があると思われる。そこで本研究は、現在アポトーシス研究を行っている各分野の研究者の研究情報の交換を行い、今後の共同体制整備に向けて基本戦略の立案を行い、重点領域研究の申請を行った。 なお、班会議については以下の4回行った。 第1回 1995年7月30日 東京歯科大学血脇記念ホール 第2回 11月13日 同上 第3回 12月26日 東邦大学医学部生物学研究室 第4回 1996年1月18日 東京歯科大学血脇記念ホール また、研究情報交換などについては以下の集会を2回行った。 1.研究集談会 1995年7月29、30日 東京歯科大学血脇記念ホール 2.文部省科研費総合(B)「アポトーシスの機能と分子機構」班シンポジウム 1996年1月18日 東京歯科大学血脇記念ホール その結果、大阪大学教授米原伸氏を代表者として、重点領域研究「アポトーシスの分子機構と生体制御」を申請した。
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