研究課題
本研究はTGF-βスーパーファミリーを中心とした細胞成長因子の構造、情報伝達機構等の研究とそれらの組織形成、再生での役割について国内外の研究動向を調査するとともに、わが国において重点領域研究として推進する必要性について検討したものである。本研究班での各メンバーの研究は国内外の研究動向に大きな影響をはたしているが、とくにBMPについては班会議において神経形成の抑制、筋肉分化の抑制、肢芽細胞死への関与、逆に骨新生への関与から骨折治癒への応用の例など、多方面の研究の現状が報告された。更に、このような多彩な機能はBMPに限らず、広くTGFβスーパーファミリーに属する細胞成長因子にみられ、多種の動物でのパターン形成の基本的な部分にこの細胞成長因子群が関与している事を示す証拠が益々増えている事が報告された。これらの現状の把握をもとに、個々の主要メンバー間の打ち合わせ、班会議による議論を行った結果、TGF-βスーパーファミリーの重要性は益々高くなっているが、現状では、より広い面からの組織形成の研究組織を構成する事が急務と考えることで一致した。そこで、この研究班の主要メンバーはそのまま残してシグナル分子の研究組織とし、更に形態形成遺伝子群の研究分野を加えるため、少数のメンバーを補い、平成9年度発足重点領域研究として、「脊椎動物のボディープランの分子的基盤」を申請する事となった。
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