研究課題/領域番号 |
07401004
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
関 孝敏 北海道大学, 文学部, 教授 (30105647)
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研究分担者 |
松田 光一 北海学園大学, 法学部, 教授 (60149036)
轟 亮 北海道大学, 文学部, 助手 (20281769)
平澤 和司 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (30241285)
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キーワード | 地域生活の再組織化 / 家族生活の再組織化 / 地震災害 / 復旧・復興 / 漁業経営 / 観光産業 / 高齢者世帯 |
研究概要 |
平成9年度は継続研究の3年目にあたる。本年次において明らかになった点は以下のとおりである。 1)地域生活の破壊と再組織化について。被災後における地域生活は義援金による補助事業が本年度で終了することから、住宅・道路・歩道・上下水道・街灯といったインフラの整備がほぼ完了した。外見的には被災地であることが疑われるほど立派な地域社会が再生された。しかし、地域生活における課題として、住民相互の新しい近隣家計の取り結びがまだ成立していないように思われる。島社会であることからお互いの面識はあっても、従来とは異なる近隣同士が居住することによって、朝夕の挨拶においても多少の違和感があるという意見があり、まだ落ち着いた地域社会には至っていない。また居住地が新しくなったことから、被災前に置ける買い物圏とは異なる新しい生活圏が出現してきた。 2)家族生活の破壊と再組織化について。被災後の家族生活は、新しい住宅への入居がほぼ終了したこと、被災後4年が経過してきたということから、被災家族に深刻な表情やダメジは、表面的には少ないように思われる。一例として、配偶者や子供をなくした人のうち何人かは、再婚により、出産・子供の誕生という新しい生命を得て、文字通り新しい家族生活が始まっている。被災家族の生活費を被災前と現在について比較したところ、新築に伴う住宅維持費-たとえば、固定資産税・電気代・ガス代・上下水道代-がとくに高くなっていることが明らかになった。そこで、生活費の出費状況を費目毎に記録してもらったところ、この点を確認することができた。
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