研究課題/領域番号 |
07401007
|
研究機関 | 国立特殊教育総合研究所 |
研究代表者 |
木塚 泰弘 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 部長 (90000265)
|
研究分担者 |
佐々木 忠之 茨城大学, 教育学部, 助教授 (50225877)
中野 泰志 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (60207850)
松本 廣 国立特殊教育総合研究所, 教育工学研究部, 室長 (60229565)
千田 耕基 国立特殊教育総合研究所, 室長 (40099940)
|
キーワード | 点字 / 中途視覚障害 / 触読 / コンピュータ |
研究概要 |
本研究では、4年間で(1)サイズ可変の点字印刷システムを開発し、個々の触読特性に併せた点字が供給できる体制を保障し、(2)個々の視覚障害者に適した点字サイズを評価する方法を確立し、(3)個々に適したサイズの点字を用いて中途視覚障害者用の点字学習プログラムを作成するという3つのサブ・テーマに関する実践的研究を実施する。本年度はその第3年次で、a)サイズ可変点字印刷システムの確立とb)点字サイズの評価方法に関する実験的検討を実施した。 a)サイズ可変点字印刷システムの確立:前年度までに試作した点字印刷システムを普及可能なシステムに発展させるためのコンピュータ・プログラムを作成し、その成果を感覚代行シンポジウムで発表した。本プログラムの対応点字プリンタを3機種とし、試用実験も実施した。また、汎用の電子化された点字データを利用することも可能となった。 b)点字サイズの評価に関する実験的検討:中途視覚障害者の中でも最も点字の触読が困難だと見なされている糖尿病性網膜症の中途視覚障害者を対象として点字サイズの評価実験を実施した。その結果、通常の日本サイズの点字では触読不能だったクライアントがサイズを変更(ジャンボサイズ)することで触読可能となるケースや触読効率が2割強も向上するケースがあることがわかった。今回の実験では、ジャンボサイズに限定したが、本システムを用いれば、それぞれの被験者にとって最適なサイズを探求できる。つまり、ロ-ビジョンの拡大写本と同様に個々の触読特性に応じた点字教材のプライベートサービスが可能となる。これは、糖尿病に限らず中途視覚障害者の職業的自立に貢献することはもちろんのこと、読書を通して視覚障害者のQOLを追求する役割を担うこともできると思われる。なお、この実験の成果は、感覚代行シンポジウムで発表した。
|